鎌倉で「雨漏りした家」を選んだ夫婦に聞く、家探しと不動産会社のこと

富士山や湘南の海を望み、江ノ電が走る鎌倉・稲村ケ崎。

極楽寺駅から徒歩5分、海まで徒歩7分の場所で、寺﨑さん夫妻が選んだのは「雨漏りをしたことがある中古住宅」でした。

二人はなぜ、その物件を選んだのか?

本記事では、購入前の判断から、入居後に発生した雨漏りや外壁の修繕、そして購入後も続く不動産会社との関係を通して、中古住宅選びで大切なことを考えます。

晴れた日には富士山も望める「稲村ケ崎公園」からの眺め

今回登場する購入者PROFILE

寺﨑 庸さん・千鶴子さん夫妻
・鎌倉市稲村ガ崎の中古一戸建て
・極楽寺駅徒歩5分/海まで徒歩7分
・2008年10月築/木造2階建て1LDK
・土地約101.73㎡/建物約66.04㎡
・南側に小川、北側に江ノ電の線路
・契約不適合責任免責・現況引き渡し

目次

鎌倉で「完璧な新築」ではなく「中古住宅」を選んだ背景

同じ社会福祉法人で働きながら、二人で暮らす寺﨑さん夫妻。

家探しで大切にしたのは、長年大切にしてきたピアノを置けることと、二人の暮らしにフィットする、少し個性的なデザインであることでした。

いわゆるファミリー向けの広い家ではなく、「自分たちらしく暮らせる家」を探していた二人。

価格も含め、その条件にぴったりだったのが、東西に細長く伸びた1LDKの中古住宅でした。

小川を見下ろすように建てられた寺﨑邸

白と木を生かした柔らかな空間に、1階のキッチンから望む緑と小川、2階の大きな天窓から降り注ぐ光。

1階東側から
1階キッチン

周囲の自然を暮らしに取り込んだ、個性豊かな住まいです。

「いくつかの物件を見ていくなかで、注文住宅のように一からつくるよりも、ある程度形ができている中古住宅や建売住宅のほうが、自分たちの暮らしには合っていると感じました」(庸さん)

写真奥/寺﨑 庸さん、写真手前/寺﨑 千鶴子さん

しかし、購入前からの明確な懸念点がありました。

それは、2階の天窓付近に残る「雨漏りの形跡」。

それでも夫婦が「この家を検討したい」と思えたのはなぜだったのでしょうか。

雨漏り跡のある物件」でも購入を決断できた理由

天窓から心地よい光が差し込み、ロフトのような感覚を抱く寺﨑邸の2階。

2階

一見すると、雨漏りが起きているとは思えないほど明るく開放的な空間ですが、その梁(はり)にはくっきりと水染みが残っています。

見上げる先には、雨漏りの跡が

そのため、契約条件は「契約不適合責任免責・現況引き渡し」。

購入後の不具合について売主の責任を問えない条件となっており、購入前の確認が特に重要な物件でした。

そんな二人の家探しを支えたのは、不動産仲介業「鎌倉ひとはこ」代表の上岡 洋一郎さん。

写真左/「鎌倉ひとはこ」代表・上岡 洋一郎さん

上岡さんと庸さんは、学生時代にライフセーバーとして海で活動していた頃からの友人。今回は、不動産の“専門家”として伴走しました。

決断に至るまでのプロセスを、千鶴子さんはこう振り返ります。

「購入に、不安が全くなかったわけではありません。ですが、気になる点を曖昧にせず、どこに問題がありそうなのか、今後どのような修繕が必要になるのかを、上岡さんと一つひとつ確認しながら、状況を整理していきました」(千鶴子さん)。

問題を一つひとつ整理したうえで、それでも「ここに住みたい」と思えたこと。

それが、二人が購入を決断できた理由でした。

住んで分かった中古住宅のリアル|修繕内容と費用

入居から1〜2年が経ったある大雨の日。事前確認の通り、2階の天井から水滴が落ちてきました。幸いこちらは簡易的な処置で収まりましたが、2年目には外壁のひび割れも発覚。

3面の外壁工事が必要となり、車1台分ほどの修繕費用がかかりました。

中古住宅では、事前検査を尽くしても住んでみなければ分からないことがあります。購入価格だけでなく、入居後の修繕・維持費まで含めた資金計画が必要だと感じました」(庸さん)

家を買うときには見えにくい「暮らしのコスト」。それが、住み始めてから少しずつ見えてきました。

自宅前の芝生

中古住宅は“誰と買うか”が重要|購入後も相談できる仲介会社の存在

では、実際にトラブルが起きたとき、二人はどのように受け止めたのでしょうか。

トラブルが起きても、私たちがすることはシンプル。上岡さんに連絡するだけ。ですので、そこまで負担に感じることはありませんでした」(千鶴子さん)

雨漏りや外壁トラブルのたびに上岡さんが現地に駆けつけ、業者との調整まで伴走。

上岡さんは、買った後もずっと見守ってくれる人。上岡さんからでなければ、私たちは家を買うことはなかったでしょう」(庸さん)

中古住宅を購入するとき、多くの人が気にするのは、価格や立地、間取りなど、購入時に見える条件。

一方で、住み始めてから起こることまで考えておくことも欠かせません。

「雨漏りや外壁のように、中古住宅の場合は住んでから向き合う問題もあります。だからこそ、購入後も相談できる人がいることは大切だと思います」(上岡さん)

修繕に備えてお金を用意すること。そして、困ったときに相談できる人を見つけておくこと。

中古住宅を選ぶときには、その両方を考えておくことが大切です。

5年暮らして見えてきた“好きな暮らし”と、上岡さんへの率直なひと言

購入前は「少し個性的」と感じていた家も、5年暮らしてみると、それぞれのお気に入りが見えてきました。

庸さんは、家全体に響くピアノの音や、仕切りが少なく互いの気配を感じられるところ。

千鶴子さんは、キッチンから望む緑や小川、窓から感じる季節の変化がお気に入りです。

「江ノ電の終電の音で時間を感じることも、この家ならでは。完璧ではないけれど、ここでの暮らしは好きです」(千鶴子さん)

2階から望む南側の景色

そんな二人に、最後に上岡さんへ伝えたいことを聞きました。

返ってきたのは──

健康に気をつけて」(庸さん・千鶴子さん)

家のことではなく、思わずみんなで笑ってしまった一言。

けれど、その言葉こそが、20年の親しさと、専門家としての信頼の表れ。

「長く付き合っていきたい」という思いがにじむ、これ以上ない褒め言葉です。

鎌倉で失敗しない中古住宅選び、4つのポイント

寺﨑さん夫妻の5年間の暮らしから見えてきたのは、中古住宅選びでは、物件そのものだけでなく、購入前にリスクを知り、購入後の暮らしまで考えておくことの大切さです。

寺﨑邸から学ぶ、中古住宅購入の4つのポイント

1.物件の状態を確認する(建物)
雨漏りや外壁など、気になる点を曖昧にしない。
2.契約条件を確認する(契約)
契約不適合責任の有無など、購入後の責任範囲を理解する。
3.修繕・維持費まで考える(お金)
購入価格だけでなく、入居後に必要になる費用も資金計画に入れる。
4.購入後に相談できる相手を考える(人)
トラブルが起きたとき、誰に相談し、どう対応するのかまで考えておく。

単に「家を買うときの相談相手」にとどまらず、住み始めてからも暮らしに寄り添い続ける——。

寺﨑さん夫妻と上岡さんの5年間の関係には、「鎌倉ひとはこ」が掲げる「ひと・まち・はこ」の思いが凝縮されています。

中古住宅選びで本当に見るべきなのは、建物そのものの状態だけではありません。

どんな暮らしを叶えたいかという「思い」と、万が一に備える「お金」、困った時に頼れる「人」。

寺﨑さん夫妻の決断は、後悔しない家づくりの本質を示しています。

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この記事を書いた人

湘南暮らし20年。好きなことはお昼寝、嫌いなことは空腹。
2021年~2026年まで、Yahoo!ニュースエキスパート地域クリエイターを担当。2024年には「ベストエキスパート2024」を受賞。元証券会社人事部出身。年金アドバイザー資格を持ち、キャリアや生活に関するテーマも担当する。

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