鎌倉ひとはこの古民家活用プロジェクト|人と地域に新しい循環の形を

歴史ある寺社や細い路地、昔ながらの商店が残る鎌倉市材木座。

観光地の賑わいとは少し離れた海辺の街並みには、今も昔ながらの暮らしの風景が息づいています。

そんな海風が通り抜ける路地の先に佇むのは、昭和の趣を残す一軒の古民家。

瓦屋根、板壁、格式ある門構え。

そこには、現代の住宅では再現できない日本家屋ならではの美しさがあります。

ここは、昭和期に建てられた「吉川邸」。

「吉川別邸」

四方を緑に囲まれた約600㎡の敷地には、昭和37年に建てられた「別邸」と、のちに建てられた「母屋」の2棟が並びます。

オーナー・吉川さんは今、ひとつの願いを抱いています。

「今は使われていない別邸を大切に想い、地域で活用してくれる人に出会いたい」

オーナーの吉川さん

この想いを受け、不動産仲介『鎌倉ひとはこ』「吉川別邸プロジェクト」を企画。

単なる賃貸条件ではなく、価値観の共感を重視した“パートナー探し”を始めました。

『鎌倉ひとはこ』は、不動産の売買や賃貸を仲介するだけでなく、「ひと」と「はこ(家)」をつなぎ、「ひと」と「ひと」、「ひと」と「まち」を結ぶことを大切にしている不動産会社。家を単なる“物件”として扱うのではなく、その場所に刻まれた歴史や暮らしの記憶、地域とのつながりまで受け継ぎ、新たな担い手へと橋渡しすること。それが『鎌倉ひとはこ』が創業時から目指してきた役割でもあります。

PROFILE

吉川邸別邸(鎌倉市材木座)
・昭和37年新築(昭和46年増築)の木造邸宅
・木造瓦葺2階建て
・延床面積約128㎡
・敷地面積約601㎡(約182坪)
・庭や池を備えた住まい

【現在、敷地内の一棟の利用者を募集中】
利用期間や賃料、DIY、改装の可否などは利用方法に応じて相談しながら決定します。
※飲食業や、土地の景観・空気感にそぐわない商業利用は想定しておりません。

見学・お問い合わせ
不動産仲介業『鎌倉ひとはこ』
TEL:0467-39-6929(9:00〜18:00)
※英語でのご案内・ご契約にも対応しています。

目次

暮らしの記憶が残る、昭和の住まい

2階建てからなる「吉川邸(別邸)」は、1階には玄関横の3畳間、中央の6畳リビング、和室、キッチン、浴室などを配置。

「吉川邸」1階中央リビング
「吉川邸」1階3畳間
「吉川邸」1階キッチン

2階には庭を見渡せる8畳間や、水屋を備えた茶室空間があります。

「吉川邸」2階8畳間
「吉川邸」2階6畳間(茶室空間)
「吉川邸」2階から見下ろす庭
「吉川別邸」2階から見下ろす、鯉や亀が泳ぐ池

「この別邸では、多い時で3世代6人が暮らしていました。小学生の頃は、学校から帰ると近くのお寺へ遊びに行ったものです。そこには自然と子どもたちが集まっていました」(吉川さん)

「母屋が建つ前は広い庭だったので、ここで野球もしました。春は桜、梅雨には紫陽花。正月が過ぎると梅の花が咲きます」(吉川さん)

真摯な想いとチャーミングなお人柄が魅力の吉川さん。弾けるような笑顔が印象的な場面も

吉川さんが語る思い出からは、建物だけではなく、そこで育まれた時間そのものが受け継ぐべき財産であることが伝わります。

それは、新築では決して生み出せない、暮らしの記憶、そしてまちの記憶そのものです。

庭には鳥の声が響き、風が木々を揺らす

単なる借り手ではなく、地域に開いていくパートナー

多くの空き家活用は、「空いている建物をどう使うか」が出発点です。

しかし本プロジェクトは、「この建物の価値を、地域の人と作っていく」という視点から始まっています。

吉川さんは当初、学生やボランティア団体に活用してもらうことを考えていましたが、現在はそれに限らず、この建物を生かしてくれる、さまざまなアイデアを持つ人を広く募集しています。

そのため、賃料も一律には設定していません。

どのように使うのか、庭の手入れをどうするのか、建物とどう付き合っていくのか。そうしたことを相談しながら、それぞれの使い方に合わせて決めていきます。

たとえば、こんな「未来の受け継ぎ方」はどうでしょうか。

写真はイメージです

「食×地域」:庭で採れた果実を使った加工品をつくり、地域と分かち合う場。
「職×思考」:自然に囲まれた環境で、新しい表現や仕事を生み出すアトリエ。
「継承×学び」:茶道や住まいの手入れを通じて、日本家屋の文化を次世代へ伝える場所。

落ち着いた形でのイベント利用やDIYも相談可能。

目指しているのは、この街の一員として関わり続ける「関係人口」を育むことです。

吉川邸が結んだ、二つの想い「残したい想い」と「つなぎたい想い」

「鎌倉は人気エリアだから空き家問題とは無縁と思われがちですが、資産価値が高いからこそ活用に悩み、眠っている物件も多いのです」(上岡さん)

写真中央『鎌倉ひとはこ』代表・上岡洋一郎さん

そう語るのは、『鎌倉ひとはこ』代表の上岡洋一郎さん。

「鎌倉には、価値ある建物を残したいと願う人がいます。一方で、この街で何かを始めたい人もいます。その両者が出会い、同じ場所で時間を重ねることで、新しい地域との関わり方が生まれる。そんな循環を、この吉川邸でも育てていきたいと考えています」(上岡さん)

「吉川別邸プロジェクト」は、その可能性を形にする第一歩。

吉川さんも「行政の事業などを模索する中で、『鎌倉ひとはこ』さんと出会い、『この人たちを信頼しよう』と決意しました」と語ります。

受け継ぎたいのは建物そのものだけでなく、そこで営まれてきた暮らしや季節を感じる時間。

その架け橋となる取り組みが、今まさに始まっています。

庭から望む「吉川別邸」

人と場所が育てる、未来への循環

不動産を残すというと、建物そのものに目が向きます。

しかし、本当に受け継いでいきたいものは、そこで営まれてきた暮らしや、人と人との距離感、季節の移ろいを感じる時間なのかもしれません。

場所を託す吉川さん。
想いを受け取る利用者。
両者をつなぐ『鎌倉ひとはこ』。
そして変化を見守る地域の人々。

それぞれの想いが重なることで、一つの建物は単なる「残すもの」ではなく、人と街をつなぎ、新たな関係を生み出す場所へと変わっていきます。

この取り組みは、SDGsが掲げる「つくる責任つかう責任」「住み続けられるまちづくり」「パートナーシップで目標を達成しよう」という考え方にも通じています。

【おわりに】一棟の活用から、街全体のあたたかなつながりへ

「鎌倉で何かを始めてみたい」
「昭和の木造邸宅で、地域と繋がりながら丁寧に暮らしてみたい」

そんな小さな想いや挑戦の芽を育む場所として、この「吉川別邸プロジェクト」は走り出しました。

『鎌倉ひとはこ』が目指すのは、単にひとつの空き家や物件の仲介をすることではありません。街の中に眠る歴史ある古民家や、使われなくなった一室、あるいは少し持て余しているお庭や店舗スペース——。

そうした「暮らしの余白」に新しい光を当て、地域を愛する「ひと」とつないでいくこと。

ひとつ、またひとつと「はこ(家)」が新しい役割を持ち、開かれていくことで、そこには自然と人が集まり、会話が生まれ、新しい繋がりが紡がれていきます。

こうした小さな拠点の広がりこそが、住む人にとっても訪れる人にとっても、鎌倉をより豊かで持続可能な街へと変えていく原動力になると信じています。

大切な資産や暮らしの記憶を次の世代へ巡らせ、人と街が循環して共に育つこと。

『鎌倉ひとはこ』はこれからも、地域に寄り添う不動産として、そんな未来への架け橋であり続けますこの場所でどんな物語が始まり、どんな景色が広がっていくのか。街の未来を共につくるパートナーとの出会いを、心よりお待ちしております。(上岡さん)

そう語る上岡さんの言葉には、この街とこれから出合う仲間への深い期待が込められていました。

写真左から、『鎌倉ひとはこ』上岡代表、吉川オーナー、「湘南ひとまち」松本編集長

吉川邸(別邸)活用概要
・利用期間:半年〜1年(予定)
・賃料:利用方法に応じて相談
・DIY、改装:相談可
・イベント利用:内容に応じて相談
・庭、屋外スペース使用:相談可

見学・お問い合わせ
不動産仲介業『鎌倉ひとはこ』
TEL:0467-39-6929(9:00〜18:00)
※英語でのご案内・ご契約にも対応しています。

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この記事を書いた人

湘南暮らし20年。好きなことはお昼寝、嫌いなことは空腹。
2021年~2026年まで、Yahoo!ニュースエキスパート地域クリエイターを担当。2024年には「ベストエキスパート2024」を受賞。元証券会社人事部出身。年金アドバイザー資格を持ち、キャリアや生活に関するテーマも担当する。

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