家にあるストックと知恵で生き抜く「アイデア防災クッキング
「もしも電気やガスが止まり、温かいお湯すら沸かせなくなったら……?」
そんな災害時の食のリアルに挑むため、『かまくら暮らしの防災術』にてアイデア防災クッキングが開催されました。
水だけで各種乾麺がどこまで美味しく食べられるかを検証する実験と、アウトドア道具を活用した賢い防災の知恵を学び合った、笑顔と驚きに満ちたひとときを振り返ります!

1. 【検証実験】「水だけ」で乾麺は食べられるようになるのか?
参加者がチームに分かれ、ご家庭にある各種乾麺に「水だけ」を注ぎ、10分ごとに食感や戻り具合を検証しました。
| 麺の種類 | 戻り時間(目安) | 食感・評価・おいしく食べる工夫 |
| カップ麺・袋麺 | 約20〜30分 | スープも溶け込み、問題なく美味しく完食できるレベル!夏場なら十分なごちそうに。 |
| そうめん | 約30〜40分 | しっかり戻るが固まりやすいため、ごま油やめんつゆを和えたり、焼く工夫をすると美味。 |
| ビーフン / くずきり | 約20〜30分 | 工場で「蒸してから乾燥」されているため水戻しと好相性。主食として非常に優秀。 |
| うどん・おそば | 40分以上(苦戦) | 表面は溶けても芯や粉っぽさが残る。「非常食」と割り切れば食べられるが工夫が必要。 |


💡 パスタの水戻し「早ゆでパスタ」の技
パスタは事前(通常90分以上)に水につけておくと、少量の熱湯でさっと茹でる(1〜1分半)だけで生パスタ風のもちもち食感になります。水とガス代を劇的に節約できる最強テクニックです。(※ゆで時間10分以上のしっかりしたパスタが適しています)
2. 「生き延びる」から「心地よく過ごす」防災へ:アウトドアギアの活用法
後半は、日常のアウトドアでも愛用されているクッカーやコンロなど、防災ギアの賢い使い方を実演を交えて学びました。

- 風防(ウインドスクリーン)とガス管カバー:屋外や避難先で風を受けると熱効率が低下します。風防で囲い、ガス管に保温カバー(ネオプレン素材等)をつけるだけで、燃料消費量を2〜3割カットできます。火力が強いほど短時間で沸騰し、結果としてガスも長持ちします。
- 多重の熱源(バックアップ)の確保:カセットコンロ(タフまる等)やアルコールバーナー、さらにガスが尽きた際も小枝や紙パック等で2次燃焼を起こせる「ネイチャーストーブ(ソロストーブ等)」を組み合わせて備えることで、どんな環境でも熱源を途絶えさせない工夫が大切です。
- 安全第一と火傷予防:災害時の火傷は感染症リスクを高め、医療逼迫下では致命的になります。調理時は革手袋等を着用し、折りたたみテーブルなどで水平な調理スペースを確保することが鉄則です。
3. 被災地の現実に学ぶ:水問題と避難所の課題
熊本地震などの過去の災害や直近の被災地の状況を振り返り、参加者同士で真剣な意見交換も行われました。
- 「水はあるのに飲めない」ときの対応:泥で濁った水も、一晩静置して泥を沈殿させ、上澄みをコーヒーフィルター等で漉した後に浄水器を通したり煮沸することで安全な飲料水に変えられます。備蓄水だけに頼らず「浄水する知恵」を持つことが身を助けます。
- 被災時の私物・非常持ち出しの課題:避難時の持ち出しルールや職場のセキュリティ等で貴重品を取りに戻って被災するリスクなど、リアルな社会構造の課題についても議論され、普段からの意識と備えの重要性を再確認しました。
- 避難生活での環境(TKB:トイレ・キッチン・ベッド):避難所のトイレ環境を懸念して水分補給を控え、エコノミークラス症候群に陥るケースが多く見られます。行政任せにせず、日常の延長で備える「自助・共助」の精神が求められています。
次回のお知らせ
次回の「かまくら暮らしの防災術」は、8月27日(木)に開催予定です。 テーマはみんな大好き「楽しいロープワーク」日常の荷くくりから、災害時のテント固定・物資の搬送まで、覚えておくと生涯役に立つ「ロープワーク」を体得します!皆様のご参加をお待ちしております。
今後予定しているイベント一覧
⑥楽しいロープワーク(日常で実用性の高いロープワークを学ぶ)
8月27日(木)18:00~20:00
⑦アイデア防災クッキング2(実用性のある防災料理をつくる)
9月10日(木)18:00~20:00
⑧鎌倉の地形を学ぶ(ハザードマップや等高線などから鎌倉独自の地形を学ぶ)
9月24日(木)18:00~20:00
アウトドアライフアドバイザー 寒川ご夫妻のご紹介
寒川一さん

アウトドアライフアドバイザー。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。
著書に『新時代の防災術』『「サボる」防災で生きる』『これからのキャンプの教科書』他
寒川せつこ さん
アウトドアの知恵を生かした災害時にも役立つ料理をメディアやワークショップなどで伝える。北欧の暮らしのエッセンスをレシピにも取り入れている。


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参加者の方の声
鎌倉市在住 Yさん
必ず来る自然災害。その時に大切なのは「自分や家族を守り抜くスキル」があればと受講しました。
「起こらないだろう」という正常性バイアスにとらわれず、自助の力としてのアウトドア防災を身につけておくこと。
それは周囲に依存せず、迷惑を最小限にとどめる備えと考えて参加し続けています。
逗子市在住 Iさん
防災用に買った浄水器を使わずにいたけれど、鎌倉の湧水ワークショップを知り関心が高まりました。監修は焚き火カフェの寒川さん。インスタで見つけた防災講座に1月から参加し、毎回新しい発見があります。いつか自分の体験をもとに、防災ワークショップの輪を広げていきたいと思っています。
鎌倉市在住 Sさん
防災という非日常を意識する行為をいかに日常に溶け込ませるか、という点に意識を置かれている講座です。 各回それぞれの学びがとても深いのももちろんですが、連続して参加することにより、定期的に防災について考える機会ができ、意識が自然と高まる事が他の講座にはない魅力だと思います。いつでもどなたでも参加できます!
暮らしの防災コラム(第2期)
- 第1回「正解のない防災を自分ごとで考える」
- 第2回「助けてもうらことも防災」
- 第3回「寒さは命に関わる」
- 第4回「食から考える防災」
- 第5回「住んでいる街や自然を知ること」
- 第6回「サプライズの気持ちを忘れずに」
- 第7回「火を学ぶ、火と暮らす」
- 第8回「トイレから考え直す防災」
- 第9回 「便利の罠をロープから考える」
- 第10回 「最小限で最大限を」
- 第11回 「鳥の目で防災を考える」
- 第12回 「生きる」を暮らしの真ん中に 【最終回】
これまでの取り組みやイベント情報を知りたい方は、かまくら暮らしの防災術Facebookグループをぜひご参加ください!





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