鎌倉・湘南で住宅を買う前に必ず知ってほしい「建築確認」という基準

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鎌倉で家探しをすると、まず驚くのは同じ“住宅地”でも条件が大きく違うことです。
海に近い土地、谷戸の奥、古い道が残るエリア…。
地形も歴史も複雑なまちだからこそ、建物の書類や道路との関係が、住み心地や将来の価値に直結します。

見た目が素敵な家でも、
「リフォームが思ったほどできない」「建て替えたら今より小さくなる」
そんなケースは、鎌倉では珍しくありません。

だからこそ、中古住宅を選ぶときは雰囲気だけで判断せず、
建築確認・検査済証・接道・既存不適格という4つの要素を一度立ち止まって確認することが大切です。

目次

1|建築確認済証は「この家がどんな計画で生まれたか」を知る入口

建築確認済証は、建物を建てる前に
「この設計なら法律に適合しています」と行政が認めた証明書です。

つまりこの一枚で、その家がどんな前提で設計されたのか、
どんなルールのもとで建てようとしたのかが見えてきます。

鎌倉のように旗竿地や細い私道が多い街では、
建築確認が取れなかった時期の建物や、古くて書類が失われた家も少なくありません。
違法というわけではなく、単にルーツが追いづらい家というだけですが、
リフォーム会社や金融機関にとっては判断材料が減るため慎重になりがちです。

「確認済証がありますか?」
この質問を最初にするだけで、あとで慌てる場面がぐっと減ります。

参考:建築確認検査制度の概要 平成31年3月14日 国土交通省 住宅局 建築指導課
https://www.mlit.go.jp/common/001279404.pdf

2|検査済証は「本当に図面どおり建ったかどうか」の最終確認

確認済証が設計の確認なら、検査済証は完成の確認です。
工事が図面どおりに行われ、法令に適合していると判断されたときに交付されます。

中古住宅では検査済証が残っていない家は珍しくありません。
ただ、ある家とない家では、その後のプロセスに違いが出ます。

検査済証がある家は、
図面と現況が一致している可能性が高く、
リフォームの自由度や、将来の売却時の説明もスムーズです。

一方で、検査済証がない中古物件は、
「現地を見て判断しないとわからない部分」が増えます。
違法かどうかより、どこまで確認すれば自分が納得できるかが大切になります。

参考 千葉市 完了検査と検査済証(2024年10月10日)
https://www.city.chiba.jp/toshi/kenchiku/johosoudan/kanryoukensa_osirase.html

3|接道義務は「建て替えできるか」を決める最重要ポイント

鎌倉で家を選ぶとき、最も重要なのはどの道路にどう接しているかです。

建築基準法が「幅4m以上の道路に2m以上接していないと原則建築不可」と定めているのは、日常の通行や救急・消防の活動、災害時の避難、さらに日照・通風といった基本的な生活環境を守るためです。
これを満たさない土地では、新築や建て替えに大きな制限がかかります。

鎌倉には、見た目は道路でも法的には道路と認められない「認定外道路」や、私道の権利関係が複雑な場所が多く、接道条件を誤ると「今は建っているのに建て替えできない」という事態が本当に起こります。また、都市計画区域に編入された際に細い道が残っていたエリアでは、行政がみなし道路として扱うことで既存の家を救済していますが、この場合は中心線から両側2mまでが道路とみなされ、建て替える際にはセットバックが必要になることもあります。

おしゃれなリノベ物件でも、道路への接し方ひとつで将来の選択肢は大きく変わります。デザインより先に、どの道路にどう接しているのかを確認することが、鎌倉で資産価値を守る一番の鍵です。

参考:接道規制のあり方について 国土交通省 住宅局 市街地建築課(令和7年4月25日)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001894185.pdf


4|既存不適格は今は合法でも将来の自由度が変わる

既存不適格とは、建てた当時は合法だった建物が、その後の法改正や都市計画の変更によって今の基準には合わなくなった状態のことです。違法ではなく、この制度があるのは、人の命や安全を守るために建築基準が時代とともに強化されてきたからです。耐震基準の見直し、火災避難基準の強化、景観や風致の保全、建物密度の抑制など、社会の価値観の変化に合わせてルールは更新され続けています。

では、具体的にどんな建物が既存不適格になるのかというと、鎌倉では、風致地区の新しい基準に合わない高さや外壁色、景観計画によるデザイン制限、日影・斜線制限に触れる容積率・高さ、現行の接道義務を満たさない敷地形状、改正された耐震基準に届かない構造、用途変更時に求められる防火や避難の基準に適合しない建物などがあります。

既存不適格はそのまま住み続けることはできますが、増築や大規模リノベーション、用途変更の際には現行基準に合わせる必要があり、思い通りの工事ができないことがあります。とくに鎌倉の古民家や築古の魅力に惹かれる人ほど、どこが現行基準とズレているのかを事前に知っておくことが、後悔しない物件選びにつながります。

国土交通省「既存不適格建築物について」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/chiiki/150130/item1-1-2.pdf

鎌倉の中古住宅は、「好き」だけで選ぶには少し複雑

鎌倉の家には独特の魅力があります。
海も山も近く、古くからの路地が残り、個性的な建物も多い。
だからこそ、気に入った物件に出会うと、
「ここに住みたい」という気持ちが先に立ちやすい街でもあります。

でも、鎌倉の住宅はルールと環境のセットで成り立っていることを忘れてはいけません。

  • 建築確認と検査済証という、建物の履歴
  • 道路との関係
  • 今の法律と当時の法律の差
  • 風致・景観・文化財保護などの独自ルール
  • 地形がもたらす湿気・塩害・災害リスク

これらを理解することで、
ただ家を買うのではなく、
「この場所で安心して暮らせるか」を判断できるようになります。

最後に──後悔しないために、まずはこの4つを質問してみてください

  1. 建築確認済証はありますか?
  2. 検査済証はありますか?
  3. 道路には2m以上接していますか?
  4. 建て替える場合、同じ規模で建てられますか?

この4つがわかれば、
その家の今だけでなく未来の姿まで見えるようになります。

鎌倉という特別な街だからこそ、
ルールを知って選ぶことで、
住んでからの満足度も、資産としての安心感も大きく変わります。

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この記事を書いた人

野生動物や自然が好きな23歳。
不動産仲介とコンテンツ制作をしています。
日々の生活を通して、地域の人や自然の保全に貢献したいと思い、
小さいところから実践しております。

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