防災コラム7「火を学ぶ、火と暮らす。」

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すっかり紅葉も終わって冬支度を始めた梶原の森で

【湘南ひとまちの防災コラム】

~焚火から考える「人と火」の関係~

寒さが本格化し始めた12月、鎌倉の森の中で「かまくら暮らしの防災術」ワークショップが開かれました。今回のテーマは「焚火」。多くの方にとって、日常では遠ざけがちな「火」について、実際に触れて学ぶ体験が展開されました。

火は温かさをくれる存在でありながら、時に大きな災いにもなります。だからこそ、「火を使いこなす力」= コントロールする力 が、防災にも暮らしにも必要です。

🔥 火をコントロールする3つの鍵

講師から伝えられたのは、焚火を成功させるために不可欠な3つの要素:

  • 酸素
  • 燃料
  • 熱(270℃以上)

この3つのバランスが整った時、初めて「火」は起こります。単に薪を集めて火をつけるのではなく、自然の中にある杉葉や白樺の皮、さらには牛乳パックやティッシュまで、“火の起こしやすさ”を科学しながら、参加者それぞれが工夫を凝らして着火を試みました。

🌱 日常にある「非日常」を見直す時間

「焚火なんて非日常」と思われる方も多いかもしれません。ですが、災害時のことを思い返してみてください。

・寒い中で暖を取る方法は?
・水を煮沸する手段は?
・照明が失われた夜をどう過ごす?

焚火は、これらすべての解決手段になり得る力を持っています。だからこそ、今回のワークショップでは「火とともに暮らす感覚」を再認識し、防災術としての焚火の役割を深めていきました。

🧯 「ただ火を焚く」ではなく、「目的を持って火と向き合う」

火を焚く前に、「なぜ火を焚くのか?」というビジョンを持つことも学びの一つでした。

  • お湯を沸かしてお茶を楽しむ
  • 手を温めながら静かに語らう
  • 調理をしたい
  • 火の扱いを子どもに伝える

目的が明確であれば、準備する燃料の太さや量、着火の方法、時間配分まで、全てが変わってきます。これこそが、「火をコントロールする力」であり、防災における最も重要な力の一つなのです。

🔥 火を囲む時間に、大人も童心を思い出す

焚火がぽうっと灯ったその瞬間、参加者たちは皆、自然とその炎をじっと見つめていました。
誰もが無言で、火の揺らめきに吸い寄せられるように。
まるで子どもの頃に戻ったかのような、不思議なひとときでした。

🧯 最後まで「防災術」

もちろん、火の片付けも手を抜きません。
完全に消火し、火の粉や灰も丁寧に処理。
「安全に楽しみ、安全に終える」ことまでが、防災の学びです。

次回予告:12月18日(木)開催「トイレと防災」

次回のテーマは「災害時のトイレ」です。火と同様に、人間にとって切り離せない問題でありながら、なかなか日常で学ぶ機会がない“あの話”を、座学形式でしっかり掘り下げます。

鎌倉駅前の会場での開催となりますので、今回参加できなかった方もお気軽にご参加ください。

👨‍🏫 講師紹介

寒川 一(さんがわ はじめ)
アウトドアライフアドバイザー。北欧スタイルや自然の知恵を生かした防災術を広める活動を全国で展開。
テレビ・ラジオなどメディアでも多数活躍。
著書に『新時代の防災術』『サボる防災で生きる』など。

寒川 せつこ
防災×食の分野で活躍する料理家。
「非常時も、心あたたまる食を届けたい」という想いから、北欧の暮らしやアウトドア知識を活かしたレシピを提案中。


災害はいつ起こるか分かりません。だからこそ、日々の暮らしの中に「備え」を楽しく、そして自然に取り入れていく。それが「湘南ひとまちの防災術」の目指す姿です。

次はあなたと火を囲みながら、お会いできることを楽しみにしています。

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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