鎌倉・湘南エリアで住宅、特に中古住宅の購入を検討する際、避けて通れないのが建物のコンディションと保証の問題です。「引き渡し後に雨漏りが見つかった」「シロアリの被害が発覚した」といったトラブルから買主を保護する仕組みが「契約不適合責任」です。この地域特有の塩害や湿気、特殊な地形によるリスクを踏まえ、制度の仕組みと実務上の注意点を網羅的に整理します。
契約不適合責任は「契約内容との一致」を見る

契約不適合責任とは、引き渡された物件が「種類、品質、または数量」に関して、契約書に記載された内容と適合しない場合に、売主が買主に対して負う法的責任です。
契約書で合意した物件の状態・条件+実際に引き渡された物件の状態・現況
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両者に「相違」がある場合に責任が発生
外見は良好でも「構造部の腐朽」や「擁壁の不備」などが契約書に正しく記載されているかが、責任の有無を左右する判断基準となります。
買主が請求できる4つの権利
物件が契約内容と適合しない場合、買主には法律上、以下の4つの権利が認められています。
契約不適合責任に基づく請求権
| 請求権の名称 | 内容の詳細 | 行使の条件 |
| 追完請求 | 屋根の修理や設備の交換など、不備の補修を求める権利。 | 契約内容と現況に相違がある場合。 |
| 代金減額請求 | 補修が不可能、または売主が補修に応じない場合に代金の減額を求める権利。 | 催告(請求)しても追完されない場合。 |
| 契約解除 | 欠陥が重大で、その家に住むという目的が達成できない場合に契約を白紙に戻す権利。 | 契約の目的を達せられないほど重大な場合。 |
| 損害賠償 | 不適合によって発生した実損害(調査費用や仮住まい費用等)の支払いを求める権利。 | 売主に過失(責めに帰すべき事由)がある場合。 |
責任を追及できる「期間」の制限

契約不適合責任には、権利を行使できる期限があります。民法の規定と、不動産売買の実務で適用される「特約」の違いに注意が必要です。
売主の属性による責任期間の違い
| 売主の属性 | 責任期間(通知期限) | 特徴 |
| 個人 | 引渡しから2〜3ヶ月 | 契約で期間を短縮することがある。一部「免責」の設定も可能。 |
| 宅建業者(不動産会社) | 引渡しから2年以上 | 宅建業法により、2年を下回る期間設定は禁止されている。 |
| 個人間での民法の原則 | 不適合を知った時から1年以内 | 特約がない場合に適用される。 |
鎌倉・湘南の中古住宅市場では個人が売主となるケースが多く、「責任期間は3ヶ月以内」と設定されることが多いです。この期間を過ぎると、たとえ重大な不備が見つかっても売主に補修を求めることはできません。
鎌倉・湘南の物件で特に確認すべき「不適合」のリスク

このエリア特有の環境要因により、契約書(物件状況報告書)との相違が起きる可能性のある項目をまとめました。
地域特性に応じた物件側チェック項目
| カテゴリ | 具体的なチェック内容 | 備考 |
| 建物構造 | 雨漏り、シロアリ被害、湿気による土台の腐朽。 | 年間を通じて湿度が高いエリアがある為。 |
| 付帯設備 | 給排水管の故障、塩害による室外機の腐食。 | 古い埋設管や塩害の影響を受けやすい設備。 |
| 土地・外構 | 擁壁(ようへき)の亀裂、境界標の不足。 | 傾斜地や石積みの擁壁が多い地域特性。 |
| 法令制限 | 既存不適格、セットバックの未実施。 | 古い街並みでは現行法に適合しない物件がある。 |
これらが契約書に「不具合あり」と明記されている場合、買主はその状態を了承して購入したとみなされ、引き渡し後に責任を問うことはできません。
契約不適合責任の手続きの流れ
実際に不具合が見つかった際の実務的な流れです。
- 不適合(不具合)の発見
- 契約書・物件状況報告書の再確認
- その箇所が「告知済み(容認事項)」になっていないかを確認。
- 売主への通知
- 契約で定められた期限内に、具体的な内容を書面(内容証明等)で通知する。
- 現場確認と協議
- 売主・買主双方の立ち合いのもと、修繕範囲や方法を協議する。
- 修繕の実施または精算
- 合意に基づき、売主の負担で補修を実施する。
まとめ

契約不適合責任は、買主にとって重要な権利ですが、中古住宅(個人間売買)においてはその期間が非常に短いのが実情です。
- 「借りられる額」だけでなく、将来の修繕リスクを含めた資金計画を立てる
- 契約書・物件状況報告書の内容と現況を、引渡し直後に必ず照合する
- 不明な点は、契約前にホームインスペクション(住宅診断)等で客観的に把握する
これらを徹底することで、購入後の予期せぬトラブルを最小限に抑えることができます。
※本記事の内容は、記事作成時点(2026年1月19日)の民法および宅地建物取引業法等の関連法令、ならびに一般的な不動産取引実務に基づき作成したものです。個別の物件や契約内容によって法的判断は異なるため、実際の取引にあたっては必ず専門家にご相談のうえ、最終判断はお客様ご自身の責任にて行ってください。

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