千年続く農業を目指して 横須賀 SHO Farm

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🌱千年先まで続く農のかたちを横須賀から ― SHO Farm 仲野ご夫妻の挑戦

横須賀は長沢の小高い谷戸に囲まれた、風通しの良い畑。
そこでは、機械の音よりも土膝立てて作業する人の声が心地よく響いています。
ここは「SHO Farm(ショウファーム)」。
無農薬・無化学肥料・自家採種・ゼロウェイスト…
現代農業の“常識”に優しく問いかけながら、新しい農のあり方を日々実践している農家さんです。

この農園を営むのが、仲野晶子(しょうこ)さんと、仲野翔(しょう)さんご夫妻。
それぞれ異なる専門性と背景を持ちながら、共に耕し、育て、つなぎ続けています。

🌼 仲野晶子さん ― 土壌化学を学び、教育と環境の橋渡しに

埼玉県出身。筑波大学では生物資源学類、大学院では土壌化学を専攻
中学校の理科教員としてのキャリアもあり、「教える」「伝える」ことへの情熱も併せ持ちます。

SHO Farmを立ち上げてからは、土と人、農と環境をつなぐ視点を大切に活動を続け、2022年からは代表を務めています。

「農業という手段を通じて、自然と人の関係性を見つめ直していきたい」
という彼女の言葉には、科学者としての視点と、暮らしを紡ぐ人としての眼差しが込められています。

🌿 仲野翔さん ― 土と向き合う経済人から農業者へ

横須賀市浦賀出身。祖母の畑手伝いから農業に興味を持ち大学では農業経済学を専攻。日本政策金融公庫での勤務経験を経て、実際に「土に根ざす暮らし」へと舵を切りました。

SHO Farmでは、土壌改良や低投入農業の技術面を担いながら、資源循環や都市と農のつながりなど、農業の枠を越えたテーマにも真摯に取り組んでいます。

“農業は「持続可能性の実験場」でもある”という視点から、地域や地球に優しい方法を模索し続ける姿勢が、多くの共感を集めています。

SHO Farmが育てているのは、“野菜”だけではない

畑には、さまざまな野菜が育っていますが、育っているのはそれだけではありません。
毎週農園に通う会員、地域の子どもたち、遠くから訪れる若者たち…。
ここには、人と人、人と自然がつながる場としての魅力があります。

「1000年後にも残る農業」を目指す彼らの姿勢は、三浦半島の新しい未来像を教えてくれているのかもしれません。

目次

自然と共に生きる農業哲学

SHO Farmの理念は、単なる“無農薬栽培”にとどまりません。根底にあるのは、「自然に負担をかけない農業」「土地と共に未来へつなぐ農業」という思想です。

1. 有機質肥料と不耕起草生栽培

落ち葉や米ぬかといった地元の資源を活用し、植物本来の力で育てる野菜作り。さらに、土を耕さず草を生かす「不耕起草生栽培」により、微生物や土壌生態系を壊さずに栽培を続けます。

2. 自家採種と在来種の継承

種を守ることは、文化を守ること。SHO Farmでは、在来種・固定種の種を採り続けることで、その土地に適した作物と向き合い、次世代にバトンを渡しています。

3. ゼロウェイストへの挑戦

野菜は無包装、または新聞紙で包んで提供。農園で使う資材も可能な限りプラスチックフリー。持続可能性と実用性の両立を追求しています。

4. 野菜の8割は“鮮度”で決まる

SHO Farmでは「おいしさの鍵は鮮度にある」とし、販売前日または当日に収穫した野菜を、直売所や野菜ボックス便で提供。収穫から流通までのスピード感が、味わいの深さを支えています。

フェミニズムと多様性が根ざす農園運営

SHO Farmを支えるのは、2014年に立ち上げた仲野晶子さんと翔さん。農園の人間関係にはフェミニズムが芯としてあり、性別や背景にかかわらず、スタッフ一人ひとりの個性が尊重され、自由で協働的な空気が流れています。

「働くことは、生きること」

農業は、単なる労働ではなく、生き方そのもの。この理念に共鳴した若者たちが、研修生・社員として参加し、独立就農を目指しています。

地域とのつながりも大切に

直売所では地元産の加工品、乾燥わかめや昆布も並び、地元との循環型のつながりが感じられます。また、福祉団体との連携による「農福連携」も行っており、誰もが農に関われる社会のモデルを提示しています。

教育・文化活動にも広がる実践

農業技術だけでなく、「土壌断面調査法」や「農業経営講座」など、実践的でありながら思想性のある学びの場も提供。また、WWOOFer(農業ボランティア)やポッドキャスト「農民ラジオ」など、国内外からの交流の機会も豊富です。

🧤 SHO Farmの「援農」体験 〜 土とふれあい、野菜と出会う1日 〜

SHO Farmでは、日常から少し離れて、畑の中で体と心を整える「援農」体験を実施中。
「土の上で過ごしたい」「美味しい野菜の秘密を知りたい」そんな想いで訪れる人を、季節の畑がやさしく迎えてくれます。

毎週水曜に受け入れ中(リピーターは金曜も)。
作業は午前または午後まで、時には畑でのランチ付き。ビーガン対応の食事も嬉しいポイントです。

参加は中学生以上、横須賀・長沢の畑にて。
動きやすい服装と、水筒・帽子を忘れずに。
詳しいアクセスや申し込みは、SHO Farmの公式サイトをチェック!

🔗 https://sho-farm.sunnyday.jp/

横須賀の自然と暮らしに触れる、気持ちの良い一日をぜひ体験してみてください。

土の上に立つことで見えるもの

SHO Farmは、ただ野菜を作るだけの場所ではありません。
「どのように食べるか」ではなく「どのように生きるか」を体を動かしながら考えさせてくれる場所です。

湘南地域に住む私たちも、近郊の農家さんの取り組みを知り、都市と自然のつながりを見直し、地域の持続可能性を考える上でも、SHO Farmさんは貴重なヒントを与えてくれると思います。。

もしあなたが、自分の足で土を踏み、農を感じ、未来の暮らし方を考えたいと思ったら、SHO Farmさんを訪れてみてください。
仲野さんご夫妻や仲間と働き、話し、食事を共にする事で、気づくとそこに「生きている実感」を感じられると思います。そこから始めてみればいいのではないでしょうか。

SHO Farm

SHO Farm(ショウファーム)は、神奈川県横須賀市にある「千年続く農業」を目指す自然栽培農園です。無農薬・無化学肥料・自家採種を基本に、土壌改良やゼロウェイストに取り組み、持続可能な農のかたちを探求しています。代表の仲野翔さん・晶子さん夫妻が営み、援農体験や竹林再生、食育活動など地域に根ざした活動も展開。農業を通じて「人・自然・暮らし」のつながりを育む拠点です。

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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