“ごみ”をきっかけに、まちがつながる。鎌倉発の循環フェスティバル
海や山に囲まれた自然豊かなまち・鎌倉。
このまちに暮らす人、訪れる人、働く人たちが手を取り合い、
ごみ問題を“楽しく・自分ごととして”取り組んでいくイベントがあることをご存知ですか?
それが「ゴミフェス532(ゴミニティ)」です。
ゴミフェス532とは?
「笑顔が増える、ごみは減る!」を合言葉に、
コミュニティの力でごみ問題を楽しく解決することを目的に始まった市民参加型のプロジェクトです。
きっかけは、鎌倉のまちづくりプラットフォーム「カマコン」の定例会。
このまちをもっと良くしたいという想いを持った人々が集い、2021年5月30日(ごみゼロの日)に記念すべき第1回が開催されました。
それから毎年5月30日を中心に、鎌倉の各所で開催されてきた「ゴミフェス532」は、
いまや 市民・企業・団体・行政が一体となって行う鎌倉らしい循環イベントとして、広がりを見せています。

鎌倉だからできる、「自分ごと化」のデザイン
「誰かのせいじゃなく、みんなで考える」
そんな空気が自然と流れているのが、ゴミフェス532の魅力です。
行政主導ではなく、住民や地域のプレイヤーが主役となってつくりあげるこのプロジェクトは、
ごみ問題を単なる課題とせず、まちの未来を考える場として機能しています。
参加者からは、「楽しかった!」「こんなに身近に“まちをつくる”感覚があるとは思わなかった」などの声も多数。
楽しさと気づきが両立するイベントとして、年々注目を集めています。
「楽しく生きる、未来は変わる」

ゴミフェス532プロデューサー・平野理恵さんの物語
鎌倉駅周辺で開催される「ゴミフェス532(ゴミニティ)」──
その中心に立ち、イベント全体のプロデュースを担っているのが、腰越在住の平野理恵さんです。
「コミュニティの力でごみ問題を楽しく解決」というテーマのもと、トークセッションや体験企画、展示など、日頃は別々に活動している多様な市民団体が一堂に集うこのイベント。まるで“ごみの文化祭”とでも呼びたくなるような温かさと活気に包まれています。
「生活と切り離せない問題だからこそ、楽しくなきゃ続かないんですよ」と、理恵さんはにこやかに語ります。
環境問題が「自分事」になった日
埼玉出身の理恵さんは、元々は営業職としてバリバリ働いていたキャリアウーマン。
けれど、27歳のある日、転機が訪れます。
仕事を辞め、自分の人生を見つめ直していた頃、ふと手にした雑誌『ソトコト』の広告に目が留まりました。
「この先私は? 街は? 地球はどうなる?」
その問いに突き動かされて参加したのは、カフェ空間で環境や社会についてゆるやかに語るイベント。今で言う“SDGs”を、肩ひじ張らずにラフに共有しあうその空気感に、雷に打たれたような衝撃を受けたと言います。
「大事な話ほど、楽しく語ろう。
それなら人の心に届くし、ちゃんと続く。」
彼女はすぐに運営に加わり、イベントづくりの世界に足を踏み入れました。
家族も、自分も、楽しむことを大切に
「結婚は考えてなかったんですけど、夫と出会って“愛夫家”になっちゃいました(笑)」
イベントの合間にそう冗談めかして話す理恵さん。
いまは2人の受験生を育てながらも、子どもたちに“こうしなさい”とは言わず、
「やりたいことを見つけて楽しんで」と見守るスタンス。
それは、自分自身がいつも「楽しく生きる」を軸に選んできた人生だったからこそ。
「ごみ」から広がる、まちと未来のつながり
そして今年で4回目となるゴミフェスの運営。
「笑顔が増える、ごみは減る!」というキャッチコピーには、彼女の哲学が詰まっています。
「私があのイベントで受けた衝撃を、他の人にも味わってほしいんです。
知れば、ごみ問題はきっと“自分事”になる。
みんなでやれば、未来は変えられる。」
市民・企業・行政を巻き込みながら、明るく、軽やかに、
それでいてしっかりと社会の根っこに向き合っていく姿は、まさに“循環する暮らし”そのもの。
ゴミフェス532の会場で、もし笑顔で駆け回る平野理恵さんを見かけたら、ぜひ「こんにちは!」と声をかけてみてください。
きっと、あなたの中でも「何かが変わる」きっかけになるはずです。
ひとまち編集部よりひとこと
“ごみ拾い”が、“まち拾い”になっていく。
そんな風に、人やまち、価値観までも結びつけていくゴミフェス532。
このまちに住む・関わる私たちこそ、まずは一歩、楽しみながらごみのこと、考えてみませんか?
今後も湘南ひとまちでは、ゴミフェスのイベント情報やレポートをお届けしていきます!
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