「いつか来るその時」の先に、描く未来

——『かまくら暮らしの防災術』第2期を終えて

立春を過ぎ、暦の上では春。半年間にわたった「かまくら暮らしの防災術」第2期が幕を閉じました。最終回の座談会を終えたいま、肩の荷が少し降りたような安堵感と、すでに第3期に向けて鼓動が速まるようなワクワク感の中にいます。

■ 不動産業としての「責任」と、その先にある「本質」

鎌倉・湘南というこの美しい地で不動産業を営む以上、私は常に忘れてはいけないことがあると思っています。それは、この地域が「豊かな自然」と隣り合わせであると同時に、「自然災害の可能性」とも隣り合わせであるということです。

この地域に人を誘致し、暮らしを仲介する責任者として、災害の可能性を告知し、備える機会を提供することは一つの「義務」だと考えてきました。けれど、義務感だけで「防災」を語るのは、どこか苦しく、味気ないものです。

そんなところに、かまくら暮らしの防災術の開催を経て一つ感じているものがあります。それは「自然の中での暮らしを考え続けることは、生きる本質そのものである」ということ。

変化し続ける自然の中で、どう火を熾し、どう身を守り、どう食を繋ぐか。それは本来、人間が持っていた野生的で知的な喜びのはずです。あまり公言するとストイックすぎると思われるかもしれませんが(笑)、この「生きる本質への問い」こそが、活動の真のエネルギー源でした。

■ 「副題」に込めた、二つの想い

このかまくら暮らしの防災術には、「いつか来るその時に繋がる」という副題を添えています。ここには二つの願いを込めています。

一つは、文字通り、学んだスキルが有事の際に皆さんの命を守る「経験」として繋がってほしいということ。 そしてもう一つは、「平常時から、防災というテーマを通じて人が繋がってほしい」ということです。

もし大きな災害が起きたとき、隣にいるのが「全く知らない誰か」ではなく「あの日、一緒に焚き火を囲んだ仲間」だったら。その繋がりこそが、何よりの安心材料になり、復興への一歩を支えると信じています。

■ イベントの範疇を超えて、弾け出した「それぞれの防災」

第2期を終えて一番驚いたのは、参加者の皆さんの変化でした。 当初はイベントが「教える機会」となっていたのが、気づけばメンバーが自発的に、自分のフィールドで活動を広げ始めています。

伊豆で焚き火ワークショップを始める人、ビジネスマン向けにキャンプを構想する人、地域の防災イベントで紹介活動をする人……。

地域イベントを発端として、そこから一人ひとりの個性が弾け、また新しい「場」が生まれていく。これこそが、地域活動のあるべき姿ではないでしょうか。主催者として、これほど嬉しいことはありません。

■ 共に、この街で生きるために

防災は、決して「怖がるためのもの」ではありません。 この街で、明日も明後年も、豊かな自然を楽しみながら生きていくための「ポジティブなライフスキル」です。

第3期も、さらなるワクワクを準備しています。 「いつか来るその時」を、「みんなで乗り越えられる日」に変えるために。 また次回、フィールドで皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

鎌倉ひとはこ 代表 上岡 洋一郎

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かまくら暮らし防災術第2期のコラム

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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