スパイスが食卓と地域を結ぶ。 アナン邸とメタ・バラッツさん

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🌿 鎌倉・極楽寺に薫るスパイスの記憶
―― アナン株式会社・3代目 メタ・バラッツさん紹介

鎌倉・極楽寺、緑深い坂の途中にある築100年の古民家。ここに、静かに香るスパイスの物語が紡がれています。

アナン株式会社」は1954年創業のスパイス専門店。南インド・ムンバイ出身の創業者メタ・アナン氏が始めたこの会社は、「スパイスをもっと身近に、日常に」という想いのもと、約70年にわたり鎌倉のみならず日本の食卓にスパイス文化を伝えてきました。

その意思を継ぎ、三代目として活動するのが、メタ・バラッツさんです。

🌱 世界と日本を往還する、バラッツさんの歩み

1984年鎌倉生まれ。高校は南インドの名門GSIS(Good Shepherd International School)、その後スイス・ジュネーブのCollege du Lémanで国際教育を受け、さらにスペインでは料理と経営学を学びました。

帰国後はアナン株式会社の一員として、父アナン氏のスパイス哲学を受け継ぎつつ、次代に向けたチャレンジを重ねています。新商品の開発、料理教室の企画、地域との連携プロジェクト、出張料理、オンラインイベントまで、バラッツさんの活動はまさに“スパイスの翻訳者”としての実践そのものです。

📖 「カレーブック」から広がるスパイス文化

アナンの代名詞ともいえる商品が、「カレーブック」です。1980年代に「料理オリンピック」で金賞を受賞したインドチーム(団長:メタ・アナン氏)が発表した「インド人の考えた日本のカレー」から生まれたスパイスセット。

使い切りのスパイスがブック型のパッケージに収まり、誰でも簡単に本格的なスパイスカレーが作れると評判になりました。今も改良を重ねながら、バターチキンやビリヤニなど多彩なバリエーションが展開されています。

🍛 「つきいちスパイスカレー」と食のコミュニティづくり

バラッツさんは、鎌倉・逗子・代官山など各地で開催している「つきいちスパイスカレー」という料理教室も主宰。毎月テーマ食材を変えながら、スパイスの基礎から応用までを参加者とともに楽しむ場です。

また、2025年からは「まちの社員食堂」(鎌倉駅前)でもランチ提供をスタート。アナンが中心となり、インド料理に限らず、和・洋・エスニックの手作り料理を日替わりで楽しめる拠点として注目を集めています。

🤝 スパイスが地域を結ぶ架け橋に

東日本大震災後には、仲間とともに宮城県女川町で炊き出しを行い、現地の雇用や観光創出に取り組む「女川カレーProject」もスタート。料理という普遍的な行為を通して、被災地支援と地域再生を見つめる活動です。

🌍 スパイスは、暮らしを豊かにする文化

「スパイスって、難しくない。香りや手触りを通して、感覚が豊かになる。料理の味だけでなく、“自分を知る”時間をくれるものなんです」と語るバラッツさん。

アナンのスパイスは、すべて国内で調合・袋詰めされた手仕事の品。商品には、小さな会社だからこその丁寧さと、スパイスへの敬意が込められています。

極楽寺のアナン邸は、ただの会社ではありません。料理教室やワークショップ、読書会や映画上映など、多様な交流が生まれる“スパイスを媒介とした文化拠点”なのです。

📍 店舗情報・教室情報


スパイスを通して、人と人、人と土地がゆるやかにつながる。そんな場づくりを続けるアナン株式会社とメタ・バラッツさん。鎌倉を訪れた際には、ぜひ“香りの扉”をノックしてみてください。

アナン邸 メタ・バラッツ さん

鎌倉・極楽寺に拠点を構える「アナン株式会社」3代目、メタ・バラッツさんは、スパイスを通じて人と地域、文化をつなぐ料理人・企画者です。南インドやヨーロッパで料理と経営を学び、帰国後は看板商品「カレーブック」や料理教室、地域イベントの企画・出店など幅広く活躍。スパイスの面白さをもっと身近に感じてほしいと、暮らしに寄り添う活動を展開しています。極楽寺のアナン邸では、香りと交流が生まれる空間づくりも続けています。

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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