かまくら暮らしの防災術 第4回レポート|テーマ:食から考える防災
10月30日、「かまくら暮らしの防災術」第4回が開催されました。
今回のテーマは「食から考える防災」。
電気・ガス・水道が使えない状況でも、“心と体を支える食事”をどう確保するかを学びました。

常温食材だけで温かいナポリタンを
「非常時でも、温かいごはんを食べられるだけで安心できる」
寒川さんのそんな一言から始まった今回の実習。
メニューは、常温で保存できる食材だけを使ったビーフン・ナポリタン。
具材はシンプルに、野菜ジュースと水で戻したビーフンに、
ケチャップで味付け。
トッピングにはフライドオニオンやカルパス、粉チーズを加え、
おいしさを工夫しました。

参加者全員で順に調理を行い、湯気の立つ鍋の前で思わず笑顔に。
調理中の会場には、「美味しい!」「思ったより簡単!」という声があがっていました。

火を使わず、洗い物も最小限に
災害時に限られた燃料・水をどう使うか。
今回の講座では、加熱を最小限にし、袋調理を活用する工夫も紹介されました。
水を捨てずに使いきる、拭き取りで済ませるなど、
「備えること」を日常の調理感覚の中で実践する姿勢が印象的でした。

「美味しい」が人を元気にする
試食の時間には、笑顔と会話が自然に広がりました。
私(松本)も実際に頂きまして、
とにかく、お手軽で簡単なのに美味しかったです。
フライドオニオンがいい風味を出しておりました!

さらに、せつこさんが事前に用意してくださった、
お菓子のビッグカツとキャベツのサンドも登場。
軽食ながら満足感があり、非常時でも楽しく食べられるアイデアに、
参加者からも「ずっしりとした重量でとても満足感がある」との声があがっていました。

広がる食を囲む防災の輪
当日は、いつも参加してくださる皆さんの他に、
防災に関連するお仕事の方や、鎌倉のアウトドアコミュニティに携わる方、
さらに飛び込み参加の方も集まりました。
様々な方たちが、同じご飯を囲んで考える。
防災をきっかけに地域がひとつの食卓のようにつながる時間となりました。

次回は「水の確保」
次回のテーマは「水」。
鎌倉駅集合で、街中の湧水ポイントを巡りながら、
浄水器の使い方や安全な水の確保方法を学びます。
非常時の水の扱い方を実際の場所で体感できる内容です。
最後に…
「防災」を、暮らしの延長で考える。
もしもに備えること以上に、
今をより良く楽しく生きる知恵につながっていると感じました!
コラム作成者:松本
■寒川一プロフィール
アウトドアライフアドバイザー。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。
著書に『新時代の防災術』『「サボる」防災で生きる』『これからのキャンプの教科書』他

さんがわ せつこ
アウトドアの知恵を生かした災害時にも役立つ料理をメディアやワークショップなどで伝える。北欧の暮らしのエッセンスをレシピにも取り入れている。

この「かまくら暮らしの防災術」では生活に溶け込む防災の様々な座学や実践を半年間掛けて行なっていきます。興味あるものから無理なく参加できる。参加者同士がつながっていけることを大切に、いつか来るその時に繋がるというモットーで開催しています。
予定しているイベント一覧
①それぞれの備えを考えよう(個人の必要なものに焦点をあて、非常時持ち出しパックをつくる)
②アウトドア防災の可能性(衣食住、オフグリッド、生きる優先順位などを学ぶ)
③体温をどう守るか(レイヤードシステム、寝袋、マットなど学ぶ)
④アイデア防災クッキング1(実用性のある防災料理をつくる)
⑤水の確保(水の知識、浄水器の正しい使い方などを学ぶ)
⑥安全に火を取り扱う(安全な火おこし、焚き火、有用な火器の取り扱うをフィールドで学ぶ)※
⑦アイデア防災クッキング2(実用性のある防災料理をつくる)
⑧トイレ問題(使い捨てトイレ各種実験、衛生問題を語り合う)
⑨楽しいロープワーク(日常で実用性の高いロープワークを学ぶ)
⑩シェルターづくり(ロープ、シートで森でシェルターをつくってみる)※
⑪鎌倉の地形を学ぶ(ハザードマップや等高線などから鎌倉独自の地形を学ぶ)
⑫役立つ防災アイデア(日常の小さなアイデアからキャンプにも役立つアイデアまで、みなで共有しましょう)
受付担当:上岡 kamioka@kamakura-fudousan.com




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