安国論寺のおてら食堂

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安国論寺のおてら食堂 ― 地域がひとつになる場所

緑豊かな安国論寺の境内で、“おてら食堂” が毎月開かれています。毎月第1日曜日、ここはただの食事の場ではありません。住職、学生、農園の人、子どもからお年寄りまで、地域の“人”たちが集い、確かな温もりをもってつながりを育む交流の場なのです。

この取り組みは、2023年10月、安国論寺・ふらっとカフェ鎌倉・きしろ社会事業会の共催でスタートしました。平井智親住職の「お寺は敷居が高いと思われがちだが、もっと気軽に来てほしい」という想いと、コロナ禍で子どもたちの居場所づくりを願う中での模索から生まれたプロジェクトです。ふらっとカフェ鎌倉の渡邉公子代表との出会いが、この思いに具体的な形を与えました。

この食堂の魅力は、地域の力があちこちから集まっていること。鎌倉女子大学管理栄養士学科の学生がメニューを考え、長岡農園が新鮮な野菜を提供し、料理サークル「くこの実会」が調理を担当。学童保育施設「晴れ間」の子どもたちは「御難おむすび」の制作を手伝います。得意分野を持ち寄ることで、一人ひとりが“おもてなし”の一端を担える場が生まれています。

また、料理だけでなく、地元の食文化を伝える役割も果たしています。建長寺ゆかりの「けんちん汁」、寺に伝わる「御難おむすび」など、歴史や伝統に根ざした味わいが食卓に並ぶことも。食後には住職のお話や、参加者同士の交流催しがあり、食を通じて地域の文化や歴史を新たに感じる機会も提供されます。

世代を超えた交流もこの場の大きな特徴です。中学生がメニューを考案し、地域の大人たちが調理を支え、子どもたちが手を動かす。「教わる」「教える」「協力する」が自然に交差する場となっています。このような取り組みが育むのは、ただ“食を分かち合う”ということではなく、「互いを知り、支え合う地域のあり方」です。

おてら食堂は、“ひとりひとり”が自分の居場所を感じられる場所でありたい。子どもは笑顔で、お年寄りはほっとし、訪れた人すべてが心温まるひとときを過ごせるよう、毎月門戸は開かれています。

【開催情報】

  • 日時:毎月第1日曜日 12:30~13:30(受付12:00~)
  • 会場:安国論寺 観音堂(鎌倉市大町4丁目4−18)
  • 定員:30名(事前予約制)
  • 参加費:こども(中学生以下)無料/大人500円
  • おてら食堂は事前予約制となっております。0467-40-4434 地域包括支援センターきしろまで

ボランティア参加、食材提供などの協力も随時受け付けています。地域みんなでつくる“あなたの食堂”へ、まずは一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

安国論寺

鎌倉市大町に位置する日蓮宗の古刹で、建長5年(1253年)、日蓮聖人が安房国より鎌倉に入った際に草庵を結んだ地に創建されました。ここで聖人は『立正安国論』を著し、国の安泰と人々の幸福を願いました。境内には、聖人が居住した「御法窟」や「松葉ヶ谷の法難」で避難した「南面窟」など、ゆかりの史跡が残ります。春の「妙法桜」や秋の紅葉をはじめ、四季折々の花に彩られた境内は、鎌倉でも有数の花の名所として親しまれています。

一般社団法人ふらっとカフェ鎌倉

「食」を通じた支え合いの輪を広げ、共生社会の実現を目指して地域活動を行う。2017年に活動を開始し、地域食堂やフードバンク事業、世代を超えた交流の場づくりなどを展開。「ふらっと」は誰もが対等に参加できる場を意味し、子どもから高齢者まで誰もが気軽に集える食のネットワークを築いています。鎌倉市や福祉施設、学校、NPOとの連携を通じ、地域に根ざした支援とつながりを育んでいます。

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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