鎌倉の山を歩き撮った写真を素材に彫刻的表現 山の上のギャラリーで作品展

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「まちの今」を伝える鎌倉経済新聞

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椎橋良太さんの個展「時のトラバース」

鎌倉のギャラリー「Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)」(鎌倉市浄明寺)で9月12日、現代美術作家・椎橋良太さんの個展「時のトラバース」が始まる。

「The Traverse of Time #01」(2025)

 同展では、椎橋さんが撮影した鎌倉の風景や歴史の痕跡などの写真を素材に彫刻的なアプローチで構成したコラージュ作品を中心に、これまで各地に滞在しながら制作した作品も展示する。

 大学時代に彫刻を専攻した椎橋さんは、写真という平面媒体を使いながら立体的な彫刻のように造形を彫り出し、切り抜き、貼り合わせるという新たな写真表現を行うアーティスト。近年では中国や韓国に滞在し、土地固有の歴史や課題にフォーカスした作品を生み出している。

 同展を開くことになったきっかけについて、主催するDART(東京都渋谷区)の墨屋宏明さんは「日中韓3カ国で現代の文化芸術による発展を目指す『東アジア文化都市2025』に鎌倉が選ばれたことを知り、椎橋さんが思い浮かんで声をかけた」と話す。椎橋さんも「鎌倉から本格的なアートプロジェクトを発信したいと考えていたところだった」と快諾したという。

 会場に選んだ同ギャラリーは、鎌倉駅から離れた静かな住宅地を見下ろす小高い山の上に立つ。「谷戸と山が連なる鎌倉らしい環境に囲まれている」と椎橋さん。墨屋さんも「山と空に囲まれ、椎橋さんの作品を発表するのにふさわしいロケーション」と話す。

 同展に向けて6月、朝比奈切通や市内の谷戸などを歩いた椎橋さんは「山には無数の道があり、かつてどんな人々が歩いたのか想像を巡らせた。長い時間をかけた人と自然の静かなせめぎ合いがあり、小さな石にも宿る歴史や時間に少しだけ触れたような感じがした」と振り返る。

 同行した同ギャラリーの黒田幸代さんは「椎橋さんは古道の脇道にも分け入り、カメラを向けていた。同じ風景を見てもわれわれとは違うフィルターで捉えているのでは」と話す。山頂に登らず、山の斜面を横切るように進む様子を表す「トラバース」が同展のタイトルにもなった。

 9月20日には、鎌倉在住の現代アーティストのマイケル・フランクさんをガイドに、椎橋さんと朝比奈切通を2時間かけて歩くツアー(有料、要予約)も開く。墨屋さんは「作品の舞台を椎橋さんと一緒に歩きながら、話を聞くことができる貴重な機会」と話す。

 椎橋さんは「以前住んだこともある鎌倉を、改めて山から海までを歩き回った。鎌倉という土地で見つめた『生命のかたちと時間』をテーマに新作を発表する」と来場を呼びかける。

 開催時間は11時~17時。水曜定休。入場無料。9月29日まで。

鎌倉経済新聞

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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