鎌倉のひとに学びつながる「かまくら駅前蔵書室(通称:かまぞう)」が起こす街の化学反応
「あなたの“本”が、誰かの扉を開く」
狭く暗い階段の先に広がる、選び抜かれた本で満たされた“秘密の蔵”。会員制・持ち寄り図書室「かまくら駅前蔵書室(かまぞう)」では、誰もが知らなかった鎌倉の“知”と出会えます。
「こんな場所、見たことない!」のひとことで、思わず動画に飛び込みたくなる、唯一無二の空間の魅力とは——ぜひご覧になってください。
■ インタビュー:鈴木 章夫さん
2015年に「かまくら駅前蔵書室」を立ち上げ。入会時は“お金ではなく鎌倉に関する本を1冊”寄贈してもらう仕組みで蔵書を育て、年会費1万円で自由に過ごせる会員制の図書室を運営。起点は、空室だった雑居ビル3階の小部屋と、自身の観光事業・まちづくりNPO・シェアスペース経験。「同じ人が同じ場所で人を迎える」ことを重視し、ワークショップや企画を通じて“フラットに出会える”場をつくっている。
目次
動画のあらすじ
1)「かまぞう」が生まれるまで
- 雑居ビル3階の空き部屋を見た瞬間、過去の仕事経験(鎌倉観光ツアー企画運営・横浜のまちづくりNPOでのシェアオフィス体験など)がつながり、会員が本を持ち寄る図書室のアイデアが形に。
- ブックカフェでは賃料が持たないと判断し、年会費の前受けで運営を安定化するモデルへ。
- 「同じ人がいつも迎える」ため自ら運営者に。クラウドファンディングでの支援者(80代)からの継続寄贈など、立ち上げ期のエピソードも。
2)場所の特徴と体験価値
- 鎌倉駅から徒歩圏、急で暗い細階段を上がる“通過儀礼”。扉の先に広がる、三方を本に囲まれた小部屋。
- 入会金は「鎌倉に関する本」を1冊寄贈。会員が増えるほど蔵書が増える“循環”。
- 年会費1万円で利用自由。何時間いても、1日に何度来てもOK。会員同士のフラットな関係性が生まれる。
3)人が交わり、企画が生まれる
- 会員は会社員・主婦・学生を中心に、大学教員、僧侶、芸人、海外取材者など多彩。
- 肩書きを脱いで“さん付け”で交わることで、気づけば企画が芽吹く。
- 例:「本の香りを嗅ぐ会」(新刊のインク、古書のカビ・糊の香りなどを味わう)、会員主催ワークショップ多数。
- 会話の延長で「やってみよう」が自然発生し、小さな実験が継続していく。
4)本と人の循環
- 80代の支援者が「自宅の本は自分が亡くなればゴミになる。ここに置けば本が生き延びる」と語り、来訪のたびに2–3冊寄贈(累計70冊以上)。
- 鈴木さん自身は“読む人”より“本と本に囲まれる空間”が好き。本が置かれ続ける場を提供できていることを誇りに感じている。
5)コミュニティが支えた困難と、その後
- 体調不良で一時閉室が必要になった際、会員が交代で鍵の開閉や場の運営を担い、ワークショップを継続。
- この経験から、「休業日を設け、営業時間を見直す」現在の運営体制へ。
- 作品展の開催・撤収でも、会員が指示待ちせず自発的に動く様子が常態化。「自分ごとの運営」に。
6)場づくりの思想
- 難しく重い議論は苦手。“明るく、楽しく、面白く”に舵を切るサービス精神。
- 「普通に見える人ほど、掘ると面白い」。特技や嗜好をみんなで拾い上げる設計が“かまぞう”らしさ。
- 肩書きや上下関係を持ち込まない“フラットさ”が、出会い→対話→企画の循環を加速させる。
この“秘密基地”のような図書室は、ただ本がある場所ではなく、出会いと共創、居心地の良さを育む場です。鎌倉の奥深さを体感するなら、その空気をぜひ動画で感じてください。
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