鎌倉の街を歩けば、歴史の落ち着きとともに、新しいことに挑戦する人々の熱気を感じます。 今回は、鎌倉の人と魅力を深掘りする「鎌倉のひとに学びつながる」の山崎奈々絵さんが、5期目を迎えられた松尾崇(まつお たかし)鎌倉市長に、これからの鎌倉についてじっくりとお話を伺いました。
ゲスト紹介:松尾 崇 鎌倉市長
2009年に全国で3番目に若い市長(当時34歳)として就任以来、鎌倉の舵取りを担って16年。常に「現場」を大切にし、朝の駅頭に立つバイタリティは市民の間でも有名です。鎌倉で育ち、この街への「恩返し」を原動力に、世界に誇れる鎌倉を目指して走り続けています。
「圧倒的なスピード感」に込めた想い
インタビューは、山崎さんの「5期目の当選、おめでとうございます!」というお祝いの言葉から始まりました。選挙を通して、市長は市民から「もっと早くやってほしい」という声を切実に受け止めたと言います。
山崎さん: 「今回の選挙を通して、市民の皆さんからどんな声を受け止められましたか?」
松尾市長: 「やはり『もっと早くやってほしい』という声がすごく多かったんですよね。不登校の対策や学校のクーラー設置など、身近な課題に対して。だからこそ『圧倒的なスピード感で進めます』というお約束をさせていただきました。」
山崎さん: 「SNSで朝から駅に立たれているのを拝見しましたが、そのバイタリティの原動力はどこにあるんでしょうか?」
松尾市長: 「鎌倉で育てていただいた恩返しという気持ちがベースにあります。鎌倉には面白い人たちがたくさんいて、ご一緒するのが楽しくて。人とお会いしていると、逆にエネルギーをいただいている感じですね。」
守りの3手、攻めの5手。市民生活の基盤を固める
市長が掲げるマニフェストの中でも、市民がまず理解しておきたい「3つの柱(守りの3手)」について伺いました。
- 災害対策: どんな時も市民の生活をきちっと守っていくこと。
- インフラの老朽化対策: 水道管の更新など、市民生活に直結する問題への対応。
- オーバーツーリズム対策: 観光と暮らしのバランスを守ること。
山崎さん: 「オーバーツーリズムから市民を守る、というのはどういう思いで書かれたんですか?」
松尾市長: 「鎌倉駅周辺や鎌倉高校前などで、市民の生活が脅かされている部分があります。特定の国民が悪いということではなく、事実として起きている迷惑(白タクや騒音、ゴミ問題など)に対して、きちっと対応し、守っていきたいという思いです。」
「学び」は大人のもの。生涯、心に火を灯し続ける
教育や学びの街づくりについて、市長は「1人ひとりの学びの火を灯そう」というビジョンを語ります。
山崎さん: 「教育を通して、どんな学びの街を作りたいとお考えですか?」
松尾市長: 「大人が学ばない国だとも言われますが、我々大人こそ学び続けないと変化に対応できない。大人が子供に教えるという固定観念をなくして、大人も子供も一緒に学びながら成長していく。そんな学びの街になったら素敵だなと思っています。」
山崎さん: 「本当にそう思います。学びのチャンスは鎌倉にたくさん溢れていますよね。」
市役所移転の「なぜ」。対話から生まれた新しい形
長年の課題である市役所移転。なぜ議論が分かれているのか、市長はその経緯を丁寧に紐解きます。
山崎さん: 「なぜ賛成・反対の意見に分かれて、今進みづらい状態になっているのか、その理由を教えていただけますか?」
松尾市長: 「原点は東日本大震災です。大きな災害時に本庁舎が機能しないと市民に多大な迷惑がかかる。今の場所での補強は物理的に難しいという結論に至りました。ただ、そのプロセスを共有できていない方には『突然決まった』と受け止められてしまった部分がある。不便になるという不安もありますが、今の場所にも手続きできる機能は残す予定です。」
現在は、市役所全体を移転させるのではなく、本庁舎の機能(市長や議会)は今の場所に残しつつ、災害拠点としての庁舎を深沢に作るという新しい提案で進んでいることが説明されました。山崎さんも「絡まった糸がまっすぐになったような気分」と話します。
「スーパーマン」はいらない。17万人の小さな一歩を
インタビューの締めくくりに、市長は自身のリーダーシップ観を語りました。
松尾市長: 「スーパーマンのような市長が一人で街を変えるのではなく、市民の皆さんが主役。自分に何ができるかを考えて実行することこそが、この街を良くしていくと信じています。」
山崎さん: 「スーパーマンが一人というのは、鎌倉の街では想像がつかないですね。自分が街のためにできることを一歩でも、ということですね。」
松尾市長: 「スマホから意見を言える仕組みなども作っています。小さな一歩でもいいので、街のためにと考えてもらえたら嬉しいです。」
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