鎌倉という街で暮らし、働き、そして次の世代へ何を手渡していくのか。
今回の「鎌倉の魅力ある人」では、鎌倉ひとはこ代表の上岡洋一郎さんにお話を伺いました。
本記事は、
【鎌倉の魅力ある人】08 上岡洋一郎さん〔前編〕
の内容をもとに構成しています。
不動産だけじゃない。「人」と「暮らし」から始まる仕事
「株式会社鎌倉ひとはこ」は、不動産仲介会社。
けれど上岡さんが語るその中身は、よくある“物件を売る・貸す”不動産とは少し違います。
大切にしているのは、
- そこに住む人
- そこで生まれる暮らし
- 自然や地域コミュニティとの関係
家そのものよりも、「その家でどんな時間を過ごすのか」「どんな人と出会うのか」。
不動産は、そのための入り口であり、手段だといいます。
鎌倉に戻ってきた理由と、原点にある想い
新卒でハウスメーカー、不動産投資会社を経験したのち、上岡さんは鎌倉へ戻ります。
地元の不動産会社で働きながら、地域の人やお客さんと接する中で、ある違和感が生まれました。
「ただの不動産屋で終わるのは、つまらないなって思ったんです」
お世話になった人たちに、自分は何を返せるのか。
その答えが、「不動産を通して、街で何かをやりたい人を応援する」という今の形でした。
ノルマのない、不動産会社という選択
鎌倉ひとはこの特徴のひとつが、
ノルマを設けない、フラットな関係性。
- 会社
- スタッフ
- お客さん
誰かが上で、誰かが下ではない。
営業成績だけを追いかけるのではなく、「チームのペース」で働く。
だからこそ、
- 地域で何かをやりたい人
- 不動産に関わりながら、別の活動もしたい人
そんな多様な関わり方が自然に生まれていきます。
「一回きり」では終わらない関係性
不動産の仕事は、契約したら終わりではありません。
ご近所になることもあれば、10年、20年と続く付き合いになることもある。
「自分がその家族だったら、どうしたいかな」
この視点を大切にしながら、
“寄り添う”というより、“一緒になる”感覚で関わっていく。
その積み重ねが、信頼になり、地域のつながりになっていきます。
家を探す前に、まず「どう暮らしたいか」
上岡さんの家探しは、予算や間取りから始まりません。
- なぜ鎌倉に来たいのか
- どんな一日を過ごしたいのか
- 子どもとどんな時間を持ちたいのか
山か、海か。
駅近か、自然か。
価値観が少し揺らぐことで、
「思ってもみなかった暮らし」に出会うこともあるといいます。
鎌倉は、旅立ちと循環の街
鎌倉に惹かれてやって来て、
また別の土地へ旅立っていく人も少なくありません。
それでも、その人たちは各地でコミュニティに関わり、
また新しい気づきを持って戻ってきたり、次の場所へとつないでいく。
「鎌倉は、気づきを与えてくれる場所なんだと思います」
人口減少が進むこれからの日本において、
鎌倉はひとつのモデルケースになり得る——
そんな静かな確信が、言葉の端々から伝わってきます。
後編へつづく
後編では、
- 朝の街歩き「ゴミ拾いしながら散歩」
- 世代を超えたフラットなコミュニティづくり
- 「誰も取りこぼさない」という価値観
- 応援する側としての原体験
など、上岡さんの“人となり”と活動の核心に、さらに迫っていきます。
▶︎ 後編はこちら
【鎌倉の魅力ある人】08 上岡洋一郎さん〔後編〕
——
不動産の先にある、街と人の未来。
その物語は、まだ続きます。



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