防災コラム6|サプライズの気持ちを忘れずに

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かまくら暮らしの防災術 座学編「アイディア防災クッキング2」

2025年11月27日、NIHO kamakuraにて行われた「アウトドア防災クッキング」。この日は、災害時でも実践できる「湯煎調理」をテーマに、寒川一・せつこ夫妻による体験型ワークショップが開催されました。

「湯煎調理」とは、食材を耐熱性の袋や容器に入れ、沸騰しない程度のお湯でじっくりと火を通す調理法。少ない水でも効率よく加熱できるため、災害時の貴重なライフラインを無駄にしない知恵として注目されています。

この日のメニューは、スパイスが香る本格的なビーフストロガノフ、アイスの風味の蒸しパン、そして直前まで寒川夫妻が行かれていたアイルランドのお土産である紅茶を添えたティータイム。ストロガノフには冷凍保存可能な牛肉とドライオニオンを使用し、レトルトのハヤシソースやスパイスなど身近な調味料で深い味わいに。蒸しパンは市販のホットケーキミックスとアイスクリームを使い、ポリ袋で混ぜてそのまま湯煎にかけるだけでふんわりと仕上がる簡単レシピ。

実際の調理では、鍋の中に湯煎用の袋を複数入れて一気に加熱する方法が紹介され、省エネで効率的な手法として多くの参加者が関心を寄せていました。参加者たちは「思ったより簡単」「家でもやってみたい」と声をあげ、防災を身近に感じる貴重な機会となりました。

この日の主役は、アイルランド旅行から帰国したばかりで還暦を迎えた寒川せつこさん。イベントの終盤には、かま防メンバーたちが用意したサプライズパーティが開かれました。

防災クッキングというテーマの中に、まさかのサプライズが仕掛けられていたのです。場の空気は一気に温かく、笑いと拍手に包まれ、参加者の心を和らげるひとときとなりました。

「こういうの、豊かですね。」

と、お茶をしながら参加者のひとりがつぶやいたように、日常の中にある“ちょっとした気遣い”が、災害時にも人を支える大きな力になるのかもしれません。

日本人の気質として「皆が我慢しているなら、自分も我慢しなきゃ」と思い込みがちですが、小さな思いやりが助け合いの輪を生むこともあります。自然と心が穏やかになり、人と心を開き合えるような“仕組み”や“きっかけ”を知っておくことが大切。そんな気づきを与えてくれるのが、この日のサプライズパーティでした。

人間を極限の状況に追いやる可能性のある災害発生時、そんな時だからこそサプライズの様に相手を想う気持ちを持ちたいものです。

かまくら暮らしの防災術は、いつか来るその時に繋がる。震災を体験していない私たちに日常でも災害時でも大事な、心のあり方を考えるきっかけになればと考えています。

寒川夫妻は、防災とは「耐えること」ではなく「つながりをつくること」と語ります。

寒川さん、せつこさん、いつもいつも本当にありがとうございます。
そしてお誕生日おめでとうございます!



■寒川一プロフィール
 アウトドアライフアドバイザー。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。
著書に『新時代の防災術』『「サボる」防災で生きる』『これからのキャンプの教科書』他


◾️さんがわ せつこ
アウトドアの知恵を生かした災害時にも役立つ料理をメディアやワークショップなどで伝える。北欧の暮らしのエッセンスをレシピにも取り入れている。

開催したイベント
それぞれの備えを考えよう(個人の必要なものに焦点をあて、非常時持ち出しパックをつくる)
アウトドア防災の可能性(衣食住、オフグリッド、生きる優先順位などを学ぶ)
体温をどう守るか(レイヤードシステム、寝袋、マットなど学ぶ)
アイデア防災クッキング1(実用性のある防災料理をつくる) 
水の確保(水の知識、浄水器の正しい使い方などを学ぶ)
⑥アイデア防災クッキング2(実用性のある防災料理をつくる)

予定しているイベント一覧
⑦安全に火を取り扱う(安全な火おこし、焚き火、有用な火器の取り扱うをフィールドで学ぶ)
⑧トイレ問題(使い捨てトイレ各種実験、衛生問題を語り合う)
⑨楽しいロープワーク(日常で実用性の高いロープワークを学ぶ)
⑩シェルターづくり(ロープ、シートで森でシェルターをつくってみる)
⑪鎌倉の地形を学ぶ(ハザードマップや等高線などから鎌倉独自の地形を学ぶ)
⑫役立つ防災アイデア(日常の小さなアイデアからキャンプにも役立つアイデアまで、みなで共有しましょう) 

防災を「暮らしの一部」として取り入れたい方にとって、この連続講座は、新しい学びと気づきの宝庫です。参加したいものだけでも参加できるので、気軽にご連絡ください。

受付担当:上岡 kamioka@kamakura-fudousan.com

かまくら暮らしの防災術

これまでの取り組みやイベント情報を知りたい方は、かまくら暮らしの防災術Facebookグループ『日日是防災』にぜひご参加ください!

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暮らしの防災コラム

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この記事を書いた人

こんにちは、上岡洋一郎です。
鎌倉生まれ育ちの36歳、ハウスメーカー営業、不動産投資会社を経て、不動産屋さんをやっています。不動産を通してこの地域がもっとワクワクできないか、いつも模索しています。

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