やさしい日本語で壁を越える
〜観光地・鎌倉での出会いと学びの講座〜
「この言葉で、誰かと話してみたい」
外国語を学んだことのある人なら、きっと一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。
日本に訪れる外国人の中には、日本語を学んできた人も少なくありません。せっかく日本語で話しかけてくれたのに、日本人がすぐ英語で返してしまう――そんな場面を、私たちは何度も目にしてきました。
「日本語で話したかったのに…」
そんな思いを抱えている学習者は実はたくさんいるのです。

この講座は、地元鎌倉の人が「やさしい日本語」を学び触れることで、外国人がどんな気持ちで日本に来ているのかに気づくきっかけになることを願っています。
鎌倉は、世界中から人が訪れる観光地。
その日、その場所でのちょっとした「一言」から、心が通い合う関係が始まります。観光客と地域の人が、日常の中で自然に声をかけ合えるようになれば、それは災害時の「助け合い」や、暮らしの中での「支え合い」にもつながっていきます。
この講座では、「やさしい日本語」を通して、そんな日常の一歩を応援します。

イベント概要
開催日時:令和7年9月27日(土)18:00〜20:00
開催場所:NIHO kamakura (鎌倉市御成町 11-12 2F)
参加人数:10名
参加費用:1000円(会場費・教材費込み)
または、受付担当 上岡まで(080-1375-5117)
「やさしい日本語」って何?
「やさしい日本語」は、難しい言葉や敬語を少しだけ言いかえて、誰でもすぐに使える日本語のかたちです。特別なスキルではありません。
1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、弘前大学の研究者たちによって提唱され、災害時の支援はもちろん、観光・医療・接客など、さまざまな場面で注目されています。

日本語講師 染谷綾子(そめ)さんのご紹介
この講座を担当するのは、日本語教師として23年の経験を持つ染谷綾子さんです。15年間台湾で教えた後、現在は鎌倉・雪ノ下を拠点にオンライン日本語スクールを運営しながら、地域での活動も展開しています。
「日本語は勉強ではなく、体験だ」という思いを大切にしながら、外国人観光客への防災支援や、小町通商店会での多言語案内、「やさしい日本語」の普及に力を入れています。染谷さんは「観光客」としてではなく、“目の前のひとり”と向き合うことを大切にしており、やさしい日本語を通して、誰もが気持ちよくつながれるまちを目指しています。
まずは、「やさしい日本語」を知るところから。
誰かと気持ちよく話せる町を、私たちと一緒につくってみませんか?

第1回 コトオコシ鎌倉「やさしい日本語講座」 開催を終えて
鎌倉を拠点に活動する「コトオコシ鎌倉」が、新たな取り組みとして「やさしい日本語講座」をスタートしました。ファシリテーターは、長年日本語教師として国内外で活動してきた染谷綾子さん。台湾で15年の生活経験を持ち、多言語の視点から日本語の魅力や可能性を伝えています。

今回の講座では、まず「やさしい日本語とは何か」を学び、参加者同士で自己紹介を“やさしい日本語風”に実践。言葉を短くする、難しい言葉を避ける、敬語を使わないなど、ちょっとした工夫で外国の方にも伝わりやすくなることを体感しました。
例えば、災害時に使われる「避難してください」という表現も、「津波が来ます。一緒に高いところへ行きましょう」と言い換えるだけで、外国人にとって理解しやすくなることがわかります。参加者からは「観光客に声をかけやすくなりそう」「自分の日本語を見直すきっかけになった」といった声が聞かれました。

染谷さんは、「やさしい日本語は特別なスキルではなく、誰もが日常で活かせるもの。外国人観光客が日本語で話しかけてきてくれたとき、私たちがそれを受け止められることが大切」と話します。
鎌倉という国際色豊かな街だからこそ、観光、日常、そして災害時に「やさしい日本語」が役立つ場面は多いはず。今回の講座をきっかけに、地域の中で自然に広がっていくことが期待されます。
次回以降の講座では、外国人ゲストを招いた交流や中国語や英語など他の言語の「やさしい」講座も予定されています。「やさしい日本語」や多言語の講座をきっかけに、鎌倉の街にあたたかなコミュニケーションの輪が広がっていくと良いですね!

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