鎌倉の土から未来をひらく微生物研究
――慶應義塾大学・宮本憲ニ教授インタビュー(前編)
「鎌倉の土からプラスチックを食べる微生物が発見された」――そんなニュースを耳にした方もいるかもしれません。
世界で初めて明らかになった研究成果が、実は西鎌倉の小学校から始まっていたのです。
今回ご紹介する動画は、最先端の研究を通じて、鎌倉の未来をどう描けるかを探る対話。土の中に眠る“可能性”が、私たちの暮らしや環境問題に直結することを実感できる内容です。きっと最後まで観たくなるはずです。
■ ゲストプロフィール
宮本憲ニ(みやもと けんじ)さん
慶應義塾大学理工学部生命情報学科教授。藤沢市辻堂在住で20年、湘南エリアに根ざして暮らしてきた研究者。専門は微生物学で、特にプラスチック分解など循環型社会に資する研究を牽引。鎌倉市とも共同で「COI-NEXT」プログラムに参加し、市民や地域と協働しながら環境課題の解決に取り組んでいる。
■ トーク内容のまとめ
宮本教授が語るのは「微生物」と「循環」の最前線。
まず紹介されたのは、慶應義塾大学と鎌倉市が進める「COI-NEXTプログラム」。回収したプラスチックを3Dプリンターで再利用し、椅子やベンチに生まれ変わらせる取り組みから始まりました。しかし、最後に残るプラスチックの処理が課題に。そこで登場するのが「微生物の力」です。
舞台となったのは西鎌倉小学校。生徒や市民と一緒に実証実験を行い、なんとプラスチックを分解する微生物「ニシカマエンシス」が発見されました。しかも驚くべきことに、この微生物は添加物を混ぜたストローだけでなく、通常のプラスチックまでも分解。さらにはペットボトルやポリウレタンなど、複数種類を食べることができる“世界初”の存在だったのです。
この発見の裏側には、土壌環境の持つ力、そして「土の中で3万年分の進化が起こった可能性がある」というロマンがありました。日々の実験を続ける中で、進化や新しい微生物が生まれる瞬間に立ち会うかもしれない――そんなスリリングな研究現場の様子が語られます。
さらに話題は、鎌倉市でも普及している生ごみ処理器「キエーロ」へ。これまでブラックボックスとされてきた土壌分解の仕組みを解析し、栄養素を豊富に含んだ“肥料として再利用可能な土”になることを科学的に証明しました。
こうした研究成果は、環境問題の解決だけでなく、鎌倉での暮らしをより持続可能にする大きなヒントとなります。
そして後半では「納豆パックを自宅で処理できる日は来るのか?」という身近な問いにもつながっていきます――続きはぜひ動画で。
■ 後編の予告
後編では、さらに私たちの生活に密着したテーマへ。
家庭で出るプラスチックごみをどう減らすか、微生物研究がどのように日常の「循環」に活かされていくのか。研究者としての挑戦と、地域とともに歩む未来のビジョンが語られます。
「研究って難しい。でも、その苦労を乗り越えた先に自信が生まれる」――宮本教授の言葉の先に、鎌倉の暮らしがどう変わっていくのか。ぜひ後編でご覧ください。
ここからつながる
「鎌倉のひとに学びつながる」では、地域で活躍するローカルヒーローたちを数多く紹介しています。暮らしや文化を支える人々のストーリーに触れることで、鎌倉のまちをもっと身近に感じていただけるはずです。ぜひこちらのサイトもご覧ください!

コメント