「誠実」「信頼」「安心」という言葉の先に
前回までのコラムでは、「平等」と「公平」の違いに揺れながら、自分の“正しさ”へのこだわりや、理念と現実のギャップについて悩む姿を共有しました。
第3回の今回は、ついにその“先”にあるキーワードが見えてきます。
喧嘩や落ち込み、迷いの中から浮かび上がったのは、「誠実」「信頼」「安心」という言葉たちでした。
今回はそのキーワードを、どうやって会社や仲間に共有し、形にしていくのかというテーマで対話が進みます。
落ち込みから始まったセッション
上岡
「いや〜、ちょっと昨日、妻とかなり大喧嘩をしてしまって…。
正直、自分は“公平”とか“平等”なんて本気で求めてないのかもって思ってしまったんです。あれだけこだわってきたのに」
はさみ
「うんうん、それは大きな気づきですね。その“求めてないのかも”という気づき、もう少し聞かせてもらえますか?」
上岡
「なんか、理想を掲げるあまり、現実の中で人とぶつかってしまう。公平や平等と大きく掲げる理念の前に、基礎になるような大事な要素があるような気がしているんです。最近、NIHOの高浜さんと話していて、それが信頼とか誠実さとか安心感だったんだ”って思えてきたんです。」
「信頼」「安心」「誠実」がもたらす再発見
上岡
「たとえばお客様との関係でも、“誰でも彼でも”じゃなくて、本当に向き合いたい人と、ちゃんと信頼関係を築きながら仕事したい。
そう思うと、仕事がワクワクしてくるんですよ」
はさみ
「“選ぶこと”は時に冷たく見えるけど、誠実であることの裏返しでもありますもんね。
お客様と対等な関係を築くというのは、会社の中の人間関係にもつながりますか?」
上岡
「そうなんですよ。お客様とフラットでいたいって思うなら、まずは社内でも、メンバーともフラットでいなきゃいけない。
それが逆に、お客様と対等に向き合える“力”にもなるんだって気づきました」
感覚でやっていたことを、言葉にする時期
上岡
「これまでは僕の感覚でやってきたことが多かったんです。でも、会社としてやるなら、誰もが共有できる“クレド”みたいな形に落とし込まなきゃって思ってます」
はさみ
「会社としての判断基準にするには、“上岡さんだけの感覚”から、仲間と共有できる言葉にする必要がありますね。
そのために、どんな問いを仲間に投げかけたいと考えていますか?」
上岡
「問いかぁ……簡単に出せる問いじゃなくて、ちゃんと本質に繋がるものにしたいんですよね。
例えば“自分が安心できる関係ってどんな時?”とか、“お客様を家族のように考えたらどう接する?”みたいな問いならどうかなって」
上岡の課題とこれから
今回のセッションを終えて、上岡さんに新たな宿題が出されました。
- 「信頼」「誠実」「安心」「対等」を軸に、会社の価値観をどんな形で表現したいか?
- 仲間とその言葉をどう共有するか?
- どんな問いを立てて、対話を始めるか?
セッションを終えて
「ずっとモヤモヤしていた“公平と平等”の話から、“誠実・信頼・安心”という新しい視点が見えてきたことで、一歩前に進めた気がします。
ワクワクして、うずうずしてる自分がいるのが分かるんです」
上岡さんは、そう語りました。
これまで感覚でやってきたものを、言葉にして、仲間と共有し、再現性のある形にしていく。
それは“湘南ひとはこ”という会社が、より確かな信念を持って、安心できる場づくりを続けていくための第一歩です。
一緒に育てていきませんか?
会社は、理念や制度だけでは動きません。
その奥にある、“どんな気持ちで人と向き合うか”という姿勢が、組織を支えます。
「誠実」「信頼」「安心」という言葉に、どんな行動や問いが込められるのか──
これから上岡さんと湘南ひとはこが創っていく“新しいカタチ”を、どうか一緒に見守ってください。

はさみプロフィール
自然と人が共に豊かになる暮らしを求めて、湘南エリアを中心に活動するコーチ兼活動家。20代の頃に世界のエコビレッジを旅して、パーマカルチャーやマインドフルネス、コーチングなど、持続可能で平和な社会作りについて学ぶ。現在は「分断から統合」をキーワードに、人の内面を扱うコーチングを生業に活動中です。ライフワークとしてコミュニティガーデンづくりを行っています。ウクレレやマクラメ、暮らしの手仕事も好きです。資格:国際コーチ連盟認定ACC、パーマカルチャーデザイナー

鎌倉・湘南を拠点に「人とまちをつなぐ」をモットーとして活動する不動産仲介・地域メディアです。単なる不動産紹介にとどまらず、自然豊かな湘南エリアや古都鎌倉の暮らしを大切にし、住まい探しと地域の文化・人との出会いを結びつけて暮らしたその後も「ご近所さん」としてサポートします。不動産を介して生まれる縁をまちへ還すことを大切にしており、その思いは「地域繁栄」そして未来の「世界平和」につながると信じ日々活動を続けています。
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