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【インタビュー】鎌倉から広がる「心の処方箋」〜ジェラートと絵本で紡ぐ癒しの空間〜

地域暮らし案内
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小町通りから一本横に入った閑静な通り。
時折観光客の人も通る鎌倉らしい場所「Teahouse AlonAlone(ティーハウス アロンアローン)」があります。

今回は、この「Teahouse AlonAlone」を2024年にオープンさせた高尾さんにお話をお聞きしてみたいと思います。

ジェラートカフェを始めたきっかけ

ライター松本: ジェラートカフェを始めようと思ったのはどんなきっかけだったのでしょうか。

高尾さん: 2017年から六本木の精神科でグリーフケア(喪失を経験された方への寄り添いケア)の活動を始めました。コロナ禍でクライアントさんが減少したことや、グリーフケアを提供できる場所が少ないことから、より多くの方に知っていただき、身近なものに感じて頂きたいという思いで独立を決意しました。

お店の場所選びには特にこだわりました。六本木は自然が少なく、心が落ち着かない環境でした。私は兵庫県出身で、山と海に囲まれた自然豊かな環境で育ちました。そのため、似たような環境で、かつ観光地と住宅地が調和している鎌倉を選びました。

このお店は特別な方だけのための場所ではなく、誰でも気軽に立ち寄れる日常的な癒しの空間を目指しています。お客様には心を整えて帰っていただきたいと考えています。「おいしい」と「楽しい」は心の良薬になると信じており、心のおくすり箱のような存在になれることを願っています。

Teahouse AlonAlone とはどんなお店なのか

ライター松本: Teahouse AlonAlone はどんなお店なのでしょうか?

高尾さん:「Teahouse AlonAlone(ティーハウス アロンアローン)」は、鎌倉駅からも近い、雪ノ下の閑静な通りにあります。忙しい日常から離れ、ほっと一息つける特別なティールームです。AlonAloneはインドネシア語で「どうぞごゆっくり」その名の通りの意味を込めて、おひとり様でも気軽に訪れる心地よい空間にしたいなという思いから名づけました。

動物性素材や添加物を一切使わないヴィーガンスイーツが楽しめるのも魅力の一つにしたいと思っています。健康志向の方にも嬉しい、優しい甘さと繊細な味わいを楽しんで頂けたらと思います。さらに、鎌倉のほっこりした時間を感じられるテラス席や、絵本も読める落ち着いた室内席は、訪れるたびに心の豊かさに気づき、癒しを与えてくれる場所になったらと思います。

グリーフケアのきっかけにジェラート

ライター松本: グリーフケアとジェラート一緒にやろうと思ったのはどうしてでしょうか?

高尾さん: グリーフケアについてまだ馴染みのない方が多いので、様々なアプローチを考えました。その一つがジェラートです。カフェでくつろぎながら食べるジェラートは心と体の癒しになると考えています。自然な甘さが溶けていく様子に心がほどける感覚を体験していただけたらと思っています。

ビーガン素材を使用することで食事制限のある方にも楽しんでいただけるのも意識しました。カフェに来られた方にグリーフケアについて知ってもらえる場にもなったらと思います。ジェラートの仕入れ先の社長にも私の想いに共感いただけたので、ジェラートへの思いも大事に、いらっしゃる方々の心と体が共に喜ぶ場づくりを行っていきたいと思います。

グリーフケアを始めたきっかけ

ライター松本: グリーフケアを始めたきっかけを教えてください。

高尾さん: 両親との死別がきっかけで、私の人生観が大きく変わりました。半年ほど記憶がはっきりしないほどショックが強かったのです。親しい人には打ち明けにくい悩みでしたが、カウンセリングを通じて人に「話す」ことで心が軽くなっていくことを経験しました。自分の中にある回復する力を引き出すために、素直な自分の思いを「話す」ことが大切だと実感したのです。この経験からグリーフケアと出会い、私も同じような立場の方のお手伝いをしたいと思うようになりました。

これからやってみたいこと

ライター松本: 今後AlonAloneでやってみたいことはありますか?

高尾さん: 現在、「絵本deカフェ」というイベントを開催しています。キャンドルの灯りの中で絵本を読むという、大人向けの絵本の時間を設けています。今後はこの絵本の活動をさらに発展させていきたいと考えています。特に、「なぜ心が蠢いたのだろう」と深く考えさせられるような本と出会っていただく機会を作りたいと思っています。大人が絵本を読む機会は少ないので、読み聞かせを聞いたり、好きな絵本を読んだりする場を提供していきたいです。

地域の方へのメッセージ

ライター松本: AlonAloneに興味を持ってくださった方にメッセージはありますか。

高尾さん: 悩みやストレス、生きづらさを感じているとき、あなたは決して一人ではないということを伝えたいです。そういうときこそ、体が喜ぶものを食べたり、心地よい空間で過ごしたりして、自分を大切にしてください。特に最近は若い方々が生きづらさを感じていると思います。若い方は自分の気持ちを言葉にするのが苦手な場合も多いと思います。だからこそ、自分に必要なものは何かを静かに考えられる空間を提供しています。ぜひ、この場所で心休まる時間を過ごしていただければと思います。

ライター松本:本日は取材させて頂きありがとうございます。

オープン前に予定の時間以上にゆっくりお話をしてくださった高尾さん。カフェ経験も何もないところからグリーフケアへの思い持ってお店を始められたのが伝わりました。
私も少し気持ち落ち込んだ時はAlonAloneに行ってみたいと思います。

お店情報

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投稿者プロフィール

松本 尚樹
松本 尚樹
私は、もともと野生動物や自然環境への関心が高く、自然と共生するライフスタイルや環境保全に強い思いを持っています。現在は、農業と福祉をつなぐ「農福連携」や、持続可能な社会を目指す一環として「環境不動産」に関心を寄せながら、地域社会への貢献を目指しています。

現在、鎌倉に拠点を置く「ひとはこ」でWebディレクターを担当しており、地域資源を活かした情報発信や、魅力あるコンテンツ制作に取り組んでいます。人と自然が調和する暮らしを提案し、次世代へ価値ある環境をつなげることを目標に活動しています。

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