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【第20回】しょーちゃんコラム 「常楽寺 日本の歴史を変えた3代執権の息吹」

地域暮らし案内
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鎌倉市大船にある常楽寺は、鎌倉幕府3代執権・北条泰時が義母の弔いのために建立し、自らも眠る寺であるが、北条泰時は大きく教科書には載っていないものの、実は日本の歴史上、素晴らしい功績を残したという評価がある。今回は、決して大きな寺院ではない、大船の一角にひっそりたたずむ「常楽寺」について考える。

皆さんは、大船にある「常楽寺」をご存知でしょうか。

もしご存知の方がいらっしゃっても、「大船にある寺」あるいは「江ノ電のバス停の名前になっている」それくらいの認識の方が多いのではないかと思います。

実際、私は常楽寺の近くに住んでいますが、決して観光客の目を引くような寺ではありません。

住宅街の中、近隣にはマンションやローソン、弁当屋が並ぶ中、ひっそりとたたずむ寺・・という感じです。

しかし、この「常楽寺」も、日本の歴史好きには、実はぜひ訪れたいスポットなのです!!

結論から言えば、私は、自宅の近くにそのようなスポットがあると知った時、歴史好きとして、心底、感動し、鎌倉に来たことを嬉しいことだと思いました。

それは、どういうことなのでしょうか。

常楽寺を建立したのは、鎌倉幕府3代執権、北条泰時(1183-1242)です。義母の菩提を弔うために建立したと伝えられています。

寺の中には、北条泰時の墓もあります。

その北条泰時は、多くの日本人にとって、「中学や高校の歴史の教科書で、一応名前は出てきた人」という感じでしょうか。

私は、幼い頃からなぜか日本の歴史に興味を持ち、本を読み漁ってきたので、「承久の乱で朝廷の大軍を打ち破り、武家の掟である「御成敗式目」を制定した執権」として知っていましたが、やはり、源頼朝や、モンゴルの襲来から日本を守ったとされる(現在は諸説あり)8代執権・北条時宗や、「太平記」に登場する末期の執権・北条高時などに比べると、やや現代での知名度では落ちるか、というイメージを持っていました。

しかし、神奈川に来てから、横浜の図書館で借りた本などで、北条泰時が日本の歴史に及ぼした功績を知りました。

1221年、京の朝廷で、後鳥羽上皇が鎌倉幕府を「朝敵」と断じて、大軍を差し向け、鎌倉に向かって攻めてきました。いわゆる「承久の乱」です。

有名な伝説では、頼朝未亡人で北条泰時の伯母である・北条政子が「今こそ、海よりも深く山よりも高い頼朝公のご恩に報いる時が来たのだ」と演説して御家人たちを鼓舞した、と伝えられていますが、これは「伝説」なので、実際のところは分からない話です。

厳然たる事実なのは、鎌倉幕府は朝廷の大軍を打ち破り、名実ともに「これからは武士の時代なのだ」と、天下に知らしめたということです。

北条泰時はこの時、総大将でした。

さらにこの時、後鳥羽上皇を「死罪」にして、朝廷(皇統)を滅ぼしてしまうことも可能な状況でした。

しかし、結果として、北条泰時一人の判断ではなかったようですが、後鳥羽上皇を隠岐の島に配流して「断罪」とした、というけじめはつけましたが、「死罪」にはしなかったし、朝廷を存続させました。

この時、「北条泰時らの鎌倉幕府が、日本人の心の拠り所ともいえる朝廷(皇室)を根絶やしにしなかったことが、その後の日本の歴史の中で、明治維新の時や、さらには太平洋戦争敗戦を受け止める過程の中で、日本人にとって大きな意味を持った」と、その後の歴史家の中でも大きく評価をされているようです。

そのため、私は、常楽寺の近くに住んでいることに今、喜びと誇りを感じ、折に似触れて参拝しています。

先日も行ってまいりました。

本当に住宅街の中にひっそりとたたずむ寺です。

この日もゆっくり空気を味わいながら、北条泰時の墓に参拝。

墓の写真は控えましたが、墓所案内はすぐそばに。

墓も目立つ感じではないです。

毎回、参拝を終えるとお堂の縁側に座ってちょっと休憩、この空気感がたまりません。

写真はないけど、敷地内には池もあり、落ち着きます。。

歴史好きな人であれば、歴史に名を残した執権の息吹を感じながら、のんびりした空気感に癒されるかもしれません。

鎌倉の寺院は多くに人が多くてしんどい時もありますが、ここは隠れスポットとしてもおススメかもしれません!!

私も、またそう遠くなく、参拝したいと考えています。

奥に行くと、さらに史跡があるようです。さらに新たな「常楽寺」を近く、見つけたいと思っています。

しょーちゃん
しょーちゃん

鎌倉の寺院は小さくたたずんでいるところでも実は結構な由緒がある、ということが結構あります。みなさんもまた視点を変えて、鎌倉を探しませんか?

投稿者プロフィール

しょーちゃん
しょーちゃん
40代男性。転勤族の子どもとして生まれたため生まれ故郷が無いことが今となっては各地と知ることが出来た強みでもあり、絶対的アイデンティティがないという弱みでもあります。
これから、この鎌倉にまつわることを中心に様々に発信していきます。趣味は読書とか、旅行とか様々にありますが、趣味というより生き甲斐はTHEYELLOWMONKEYの世界観に触れること、静岡育ちなので大相撲の静岡出身関取を応援すること、地域の人々と語らい、多くの刺激を得て、自分もパワーをもらうことです。

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