鎌倉市大船地区には、かつて松竹映画のメインの撮影所があり、映画産業で全国に名をはせた。
今回は、大船に今でもかすかに、しかししっかりと今でも残る、「映画の街」の息吹を感じに出かけたことを取り上げる。
皆さんは、「大船」について、「一言でイメージを述べろ」と言われた場合、どのような答えを思い浮かべますか?
「鎌倉市内(一部、横浜市も混ざりますが)ではあるが、鎌倉の街中とは違い庶民的な感じである」
「大船観音が見守る街」
「大船駅前はターミナル駅だけあってごちゃごちゃした感じが若干あるが、全体的に落ち着いている」
など、いろいろあがってくることでしょう。
しかし、近代の大船の歴史を紐解くとき、避けては通れない存在があります。
それは、「松竹大船撮影所が、この街に存在した」ことです。
現在のイトーヨーカドー大船店横、鎌倉女子大キャンパスに2000年まで存在した、松竹大船撮影所。
かつて、日本映画界の巨匠と謳われる、小津安二郎監督や、木下圭介監督なども松竹大船撮影所で仕事を重ねました。
そして、小津安二郎監督の代表作であり、日本映画史上屈指の名作と謳われる「東京物語」(1953年公開)も松竹大船撮影所で制作されたほか、さらには、「寅さんシリーズ」も松竹大船撮影所で長年作られてきました。
私事ですが、私が神奈川に来てから出会った人は、「大船撮影所の辺りで、生前の渥美清さんを見たことがある」と言っていました。
(渥美清さんが亡くなってまだ29年ですので、同じような体験を持った人はおそらく、大船や鎌倉に昔から住んでいる人で結構いるのではないかと思っています)
この様に、大船地区の「顔」だった松竹大船撮影所ですが、2000年にその役目を終え、今では撮影所は鎌倉女子大学に売却されて、キャンパスとなっています。
しかし、「石碑など、息吹は残っている」という話は聞いていました。
鎌倉女子大学のキャンパスや隣接するイトーヨーカドー大船店は私の自宅から徒歩圏内ですので、4月30日の午後、買い物がてら行ってみました。
この日は澄み渡る快晴の空でした。
まず、鎌倉女子大キャンパス前の道を奥に行ったところにある公園へ初めて行きました。
その奥に、松竹大船撮影所が1936年に開所した時の石碑がたたずんでいました。
周りのたんぽぽの花も鮮やかでした。
この日は本当に清々しい空でした。
そしてショッピングセンターは、「松竹大船ショッピングセンター」という名前です。
「松竹ストリート」という通りもあり、今でも大船には「映画の街」としての息吹はしっかり残っています。
余談ですが、鎌倉市雪ノ下の「川喜多映画記念館」は、松竹大船撮影所があった影響か、展示会などで松竹関連が多いように思います。
鎌倉市として、「映画の街 大船」を忘れていない、という所なのでしょうね。
また、時間ある時にこの大船の「映画の街」の息吹を感じにも行きたいと思いますし、また動画サービスなどで、往年の名作映画を観たい、と思った昼下がりでした!!

「映画の街」としての歴史は、大船の、他の街にはない誇れる歴史です!!皆さんも興味あれば石碑など探訪してみてください!!
投稿者プロフィール

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40代男性。転勤族の子どもとして生まれたため生まれ故郷が無いことが今となっては各地と知ることが出来た強みでもあり、絶対的アイデンティティがないという弱みでもあります。
これから、この鎌倉にまつわることを中心に様々に発信していきます。趣味は読書とか、旅行とか様々にありますが、趣味というより生き甲斐はTHEYELLOWMONKEYの世界観に触れること、静岡育ちなので大相撲の静岡出身関取を応援すること、地域の人々と語らい、多くの刺激を得て、自分もパワーをもらうことです。
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